寸評

　三重県のみならず東海地区を代表する右腕。
　２年前に同校エースとして活躍し、その年のドラフトでオリックス入りした西勇輝を思い起こさせる。テークバックで大きく円を描くようにしながら、腕がスリークォーターの角度で滑らかに出てくるところなど、先輩の高校時代にそっくりだ。
　伸びのあるストレートとスライダーを主体に、三振を奪えるピッチングが持ち味。下級生時から、スライダーなどの変化球でも当たり前のようにストライクをとっていたところにも、投手としての資質の高さを感じさせた。
　ストレートの最速は148キロまで伸びた（夏の県大会開幕時点）。自身の活躍で、チームを甲子園に導きたい。

将来の可能性

　２年生エースとしてマウンドに上がった昨夏は、県大会準決勝で海星と対戦し、９回を投げ切るも６失点で敗退。初回から制球が定まらず、四球を出して苦労した。さらに悪いことに、球を置きにいってしまうシーンも見られた。
　それでも、秋～冬～春を経て、以前に比べれば下半身が逞しくなり、制球力も向上。あとは、前述のようなムラがどの程度解消され、不調時にどこまで持ちこたえられるか。持っているポテンシャルは折り紙付きなだけに、最後の夏に有無を言わせない投球を見せられれば、今秋のドラフト指名も充分ありうる。