津田 翔希選手 (浦和学院)

津田 翔希

球歴:浦和学院

都道府県:埼玉

ポジション:二塁手, 遊擊手

投打:右 / 右

身長:173.0 cm

体重:73.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(2015年5月20日) 個人で注目したい選手が一人いた。それが浦和学院の主将で遊撃手の津田翔希(3年)である。1年夏からベンチ入りを果たし、その後もショートストップとして守備、打撃面で引っ張ってきた。だが関東大会初戦では無安打。東海大相模戦(試合レポート)でも、序盤まで凡打に終わり、打ち取られる姿を多く見てきた。それは守備面でも影響を及ぼし、関東大会では失策することもあり、攻守ともに不安定な姿が見られた。  だが8回表、東海大相模の149キロ左腕・小笠原慎之介から本塁打を打って勝利に貢献。これまで不調に陥っていた多くの選手が一つの本塁打から変わった例を多くあるだけに、昨日の本塁打から変わっているのか。第1打席から注目してみた。  1回裏、1番諏訪 賢吉(3年)が敵失で出塁し二盗成功。さらに犠打で一死三塁のチャンスで打席を迎えた。津田は見事に直球を捉え、左前適時打で先制点を挙げる。それまでの打席と違い、迷いがなく、的確にミートに成功した。  さらに5回裏、敵失で出塁すると二死二塁から2番臺 浩卓(3年)がライト線を破る適時三塁打。そして津田が初球を捉え左中間を破る適時二塁打で4対1として、試合を大きく優位づける結果となった。  これで第2打席の中前安打を含め、3打数3安打となった。この日の津田は構えからゆったりとしており、ボールの待ち方に性急さがなくなった。  今までだと我慢しきれずに振りに行って、芯を外した打球が多かったが、この日はゆったりとボールを待ちかまえ、ボールも良く見れて、素直にバットが出て、的確にボールを捉えることができているのだ。本来ならば最短距離でバットが出てボールを捉えることができる選手。  もともと俊敏な動き、遠い位置から正確なスローイングができる技術、肩の強さ、フットワークの良さと確かな守備力を持った選手。ここに無心の境地でボールを持ち、この日のように快打を継続できれば、さらに高いステージで出来る可能性を持った選手であろう。関東大会決勝で復調の兆しを見られたのは収穫であった。  
更新日時:2015.05.22

寸評

 名門・浦和学院の3番・遊撃手を務め、攻守に洗練された好選手。主将としてもチームをまとめ、センバツベスト4まで導きました。 (第一印象)  非常に丁寧にプレーをする、基本に忠実なプレーヤー、そんな印象を受けました。 (守備・走塁面)  残念ながら一塁までの塁間は計測できず、走力はよくわからず。しかし秋の新チーム結成以来の72試合で、19盗塁を決めるなど結構動ける選手なのがわかります。  遊撃手としては、ボールの正面にまわり丁寧に補球。スローイングも安定しており派手さはありませんが、安定感を感じます。 (打撃内容)  かなり特殊なボールの合わせ方をする選手で、独特のメカニズムが目立ちます。 <構え> ☆☆  両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップは高めに添えます。少し前屈みの構えで、両目で前を見据える姿勢は良いのですが、腰の据わり具合と全体のバランスとしてはイマイチ。 <始動> 早め  投手の重心が下るときに動き出す、早めのタイミング。これは、対応力重視のアベレージヒッターに多く観られる始動です。 <下半身> ☆☆☆☆  早めに引き上げた足をまわしこんで、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でもいろいろな球に合わせやすいはず。真っ直ぐ踏み出すことで、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外の厳しい球や低めの球にも喰らいつけます。彼の打撃で特殊なのは、早めに足を地面に降ろしておきながらも、カカトだけは浮かしつつボールのスピードに応じてカカトを降ろすタイミングを図っているということ。これにより、ぎりぎりまで待ってタイミングを合わせることができます。 <上半身> ☆☆☆  早めに打撃の準備である「トップ」の形を作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。しかしバットを振り出しボールを捉えるまでに、少しバットの先端が下がって遠回りに軌道しロスを感じます。ボールを捉える際にはレベルスイングできているのですが、トップ~インパクトまでに、もう少しロスなく振り下ろせるようになると良いのではないのでしょうか。ボールを捉えたあとも小さな弧でコンパクト、逆に木製バットではこのスイングで打ち返せるのかには疑問が残ります。 <軸> ☆☆☆☆  足の上げ下げはあるのですが、目線は上下に殆ど動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定。軸を起点に、綺麗な回転で打てています。
更新日時:2015.05.19

将来の可能性

 スイング軌道に若干のロスを感じるのと、スイングが小さ過ぎて上のレベルの投手を打ち返せるのかという不安はよぎります。しかしニ遊間を意識できる守備は堅実ですし、独特のミート技術は特殊なもの。上手く環境に適した筋力を身につければ、対応して行けるかもしれません。今後もどのような活躍を見せてくれるのか、末永く追いかけてみたい一人でした。
更新日時:2015.05.19

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