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卒業生
釜田 佳直

釜田 佳直(金沢)

都道府県:
高校:
学年:
2012 年卒
ポジション:
投手
投打:
右/右
身長:
177 cm
体重:
77 kg
データ最終更新日:2013年1月24日

寸評

「良い意味で普通になった」
 今年の高校生で一番速いストレートを投げるといわれる釜田 佳直。ただし昨秋まで速いだけの投手で、150キロを計測しても捉えられることが多かった。その反省を活かし、フォームを改良し、打たれ難さを習得。さらにレベルアップし、高校生屈指の完成度を誇る右腕に成長した。ただ今の彼を見ると剛速球をセールスポイントにする投手ではない。潜在的に150キロを投げる投手ではあるが、トータルで優れた投手になっていくのではないだろうか。釜田は良い意味で普通の投手になろうとしている。普通という言葉は彼を貶めるわけではなく、むしろ褒め言葉である。瞬間的に力を発揮するのではなく、継続的に力を発揮する右腕に進化しようとしている。

(投球スタイル)
ストレート マックス152キロ
常時140キロ~147キロ
スライダー 125キロ~135キロ
縦のスライダー 125キロ前後
カーブ 115キロ前後
ツーシーム 125キロ前後
あまり力を入れていなくても140キロ中盤を計測するポテンシャルの高さは見事。状況を見極めながらここぞという時に140キロ台後半の速球を投げ込む。そのストレートの破壊力は十分。

緒戦の伊勢工戦ではストレートが140キロ後半を計測していてもストレートが高めに抜けることが多く、右投手の内角に投げるとすっぽ抜けてしまうのが殆どであった。低めに押さえこむことができない球筋が気になっていたが、試合を重ねるごとに調子を上げていき、力を入れた145キロ前後の速球がコントロール良く決まっていった。彼の姿を見ていくとただ剛速球でモノをいわせるような投手ではないように感じた。ただでさえプロの舞台は彼以上のスピードボールを投げる能力を持ったはたくさんいる。クレバーな彼がごり押しでストレートで押していくことは考えられない。そう確信させたのはAAAアジア選手権だ。

 150キロでモノを言わせた釜田だったが、AAAでは140キロ前半。調子が悪いのかと思ったので、本人に聞くとキレを意識して投げているという。スピードは落ちるが、140キロ前半でも空振りを狙うストレートを目指しており、ストレートのスピードが落ちるのは予想できたものであり、気にしていないと話す。キレ・球威を兼ね備えた140キロ台後半のストレートを理想としているようだ。その方向性は間違っていないし、本人が求めるストレートを完成させていけばいいだろう。高校生でその意識があるのは良いだろう。

 彼は変化球のレベルが高いこと。横に切れるスライダーと縦に鋭く落ちるスライダーのキレ・コントロールはハイレベルであり、この球種は既にプロで通用するレベルに達しているだろう。カーブも入れ、夏からはツーシームも習得し、投球の幅は格段に広がりを見せている。

(配球)
右打者には外角中心。選抜時には右打者の内角へすっぽ抜けが見えたが、内角へ攻められるようになってきている。ただランナーが出るとフォームのバランスを悪くしてすっぽ抜ける悪癖は解消していない。まだリリースに引っ掛かりが見られる。

外角のストレートとスライダー、縦のスライダーとのコンビネーションは圧巻。並みの高校生が対応できるレベルではない。スライダーのコントロールはプロでも通用するレベルに達しているので、このコンビネーションはプロでも活きるだろう。あとは内角の攻めを極めていくとなおいだろう。
・左打者
外角中心にストレート。新たにツーシームをコンビネーションに取り入れた。左打者の攻めを得意としており、ストレートは両サイドへ投げ分け、変化球を織り交ぜながら狙い球が絞りにくい投球を見せていた。

(クイックタイム・牽制など)
選抜では1.3秒を超える遅いクイックであった。それは捻転の大きいフォームのため素早いクイックができていなかったのだ。夏では1.1秒~1.2秒台と素早いクイックができていた。春の課題であったクイックの遅さを克服できていたことは高い評価ができる。フィールディングの動きも良いし、牽制も入れる。ランナーを置いてからの安定感が格段に向上し、高いレベルに到達してきている。

(投球フォーム)
フォーム自体は選抜と変わらず捻りを入れて、重心を下げてから上から振り下していく投球フォーム。たまに踏み込んだ足の膝が開いて、一塁側へ流れるフォームになっているが、彼も流れまいと気を付けており、修正しようとする意識は見られた。この投手は体が反る。軸足の膝が入り、そこから体を引きあげて降り下すフォームのため、ボールが抜けやすい欠点がある。この欠点は巨人の澤村拓一のフォームと似通ったところがあり、澤村ほど反りが小さいものの、バランスを崩すと抜けやすく、力がない球を打たれる不安がある。

まとめ・今後の可能性

 2年秋の投球と比べると全く別人のように成長した。ここまで成長が出来たのはしっかりと自己分析し、課題克服に向けて努力出来る姿勢であろう。実際に話を聞いて、彼の理路整然とした説明をしている。自分を客観的に分析できる性格を見て、そう確信した。彼の説明能力は大学生の選手でも中々いない。改めてクレバーな投手である。

 彼の投球を見ていくと剛速球投手という概念で見るよりも総合力の長けた右腕として見た方がいいかもしれない。潜在的に150キロを投げる能力はありながらもそれを全面に出す投手ではなくなってきている。良い意味で普通の投手になった。腰を据えて彼を育てたい球団は上位24人以内で獲りに行くべき投手であろう。

個人的な意見を言わせてもらえば高卒プロ入りすべき投手であると思っていた。だから彼がプロ志望届けを提出したのは素直に嬉しい。高校生トップクラスの投手に成長する要因となった自己分析し、ストイックに練習に打ち込める姿勢はまさにプロ向き。

技術は完成しつつあるので、プロで通用する体力を付けていき、実戦登板の機会を積んでいけば、プロで勝てる投手になれるだろう。1年目の夏に登板が実現しそうな投手であると思うが、彼が本格化するのは3年目以降になっていくだろう。失敗を糧にしてここまで成長してきた釜田 佳直。プロの壁にぶち当たっても伸びていける素材だ。ぜひプロの舞台で輝いてほしい。

情報提供・文:2011.09.04  河嶋 宗一

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