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小笠原 慎之介

小笠原 慎之介(東海大相模)

都道府県:
高校:
学年:
2016 年卒
ポジション:
投手
投打:
左/左
身長:
180 cm
体重:
83 kg
データ最終更新日:2015年12月31日

寸評

 今年の夏の甲子園優勝投手となった小笠原 慎之介

 夏の大会中甲子園後のコラムでたびたび小笠原について触れてきたが、だいぶ成長を果たしてきた。

 150キロ超えの速球派左腕となると、どうしても爽快さを求めたくなるが、小笠原がプロで生きる場合、技であったり、ボールを動かすことを追求することが求められるのではないだろうか。

 エース格としての成功が求められる小笠原が、プロで成功するため、どんな投手になっていけばよいか考えてみた。

(投球内容)

140キロ~147キロ 甲子園での最速151キロ

 この年、いろいろプロ入りした高校生を見てきたが、直に測って147キロを出した高校生は小笠原慎之介だけ。ただ1人だ。左腕ながらコンスタントに140キロ台をたたき出す馬力は素晴らしく、好調時は150キロを超える。が、球質的に空振りを奪えるストレートではなく、甲子園では本調子ではなかったというのもあるが、25イニングを投げて20奪三振。今後、平均145キロ~150キロまで速くなっていくことは予想されるが、それでも今のような球威ある直球で詰まらせていくスタイルになるだろう。

変化球 スライダー、スラーブ、カーブ、チェンジアップ、ツーシーム
変化球はスライダー系の変化球が多い。鋭角に曲がるスライダーはもっと磨いていきたい。スライダーとカーブの中間である115キロ台のスラーブ。これは左打者の時に有効的に使えているが、プロでも使えるか。

 そして春季関東大会後にチェンジアップをマスターしたが、この球で三振を奪うなど、進化は見られるが、すっぽ抜けがあり、まだマスターしきれていない様子。プロ入りして最も磨くとなる球種が、チェンジアップとなるだろう。

 決め球としていきたいのがツーシーム。U-18後に積極的に使うようになったが、ストレートとあまらない140キロ前後で曲がっていくもの。

 全体的に見てきて、プロで武器になりそうなのがスライダー、チェンジアップ、ツーシームの3球種。スライダーは130キロ前後まで速度を高めて、チェンジアップは嵌ったときの落差が素晴らしいので、これを決め球にしたい。

 プロで最もウリにしたいのはツーシーム。小笠原は松井裕樹のような縦の変化を決め球にできるような投手でもなく、投げ方もスリークォーターであることを考えると、ツーシームを自在に投げ分けるレベルにしていきたいところ。
 
 攻め方を見ると、基本的に外角中心の攻め。良い時はストレートも、変化球も、コーナーギリギリに決まって、ここぞという場面では右打者ではクロスファイヤーを投げてねじ伏せていくが、打たれる時になると、外角のベルトゾーンに集まって痛打されるケースが目立った。高いレベルの打者と対した時、小笠原は球種自体は増えたももの、決め球と呼べる球種がない。鍛えるべきところは決め球を習得できるか。
 
クイックタイムを見ていくと1.3秒前後のクイックであまり早くない。

(投球フォーム)

 ランナーがいなくてもセットポジションから始動する。おそらく体のブレを防ぐために意識してやっているだろう。右足を胸元まで上げていきながら、左足は真っ直ぐ立っている。右足は二塁方向へ送り込んでいきながら、お尻から先行して体重移動することができており、滑らかな体重移動を支える。右足のひざをうまく送り込んで捕手方向へ着地することができている。調子が悪い時は、

 右腕のグラブを斜めに伸ばして、着地時に左腕が頭の後ろにあり、出所は見難い状態となっている。が、右腕を伸ばしたとき、右肩のラインが下がっているので、真っ向から振り下ろす縦の動きではなく、横の動きを意識したフォームといえる。

 腕の振りを見るとスリークォーター。腕の振りは無理はなく、肩、肘にかかる負担は小さいだろう。この腕の振りなのでフォーク系統の変化球は厳しい。球持ちは好調時は打者寄りで離すことができているが、打ち込まれるときは、テイクバックの時に肘が上がった時の動きがスムーズではない。

 内容が良かった神奈川大会では、全体的に重心が低いが、甲子園の時は、全体的に重心が高く、体重移動がうまくいっていない。そのため負担がかかりやすい動きだったのかもしれない。自分の思うような動きができていない中でも、勝つ投球に徹することができた。そこは非凡なところだっただろう。

将来の可能性

 基本的な球速、基礎体力の高さは超高校級。制球力は、まずまずで、大舞台でも勝つ投球ができていることを考えると、プロでも最初は苦労することはあっても、すぐにアジャストするような度胸の強さは持っている。プロでの狭いゾーン、ハイレベルな打者との対戦をして、決め球となる習得などクリアすべき課題は多い。

 問題はそれを克服しようとする姿勢。成功するか、同課の分かれ目だが、小笠原の3年間の成長の軌跡を見れば、それはあるといえる。

 線の細さがあった1年秋から、わずか2年で分厚い太ももになり、それをしっかりと維持する自己管理能力もあり、また関東大会後にチェンジアップを重要性を理解して、習得に取り組んできたように、何かを感じて自分のモノとして吸収する姿勢はプロの世界で大きく活きるだろう。

 投球スタイルを見て、彼が成功するとき、キレのあるスライダーを自在に投げ分け、1999年に19勝をあげた中日の元エース・野口茂樹、ストレートが微妙に変化して、スライダー、カットボールを駆使して抑える岩田稔(阪神)のような投手になっていくと思う。岩田はフォークを投げるが、動かして、打ち取るイメージが強い。小笠原も今年の甲子園で苦しみながら優勝投手になった粘り強さがある限り、なんだかんだで勝てる投手になっていくだろう。

 中日にとって、高卒では久しい左のエース候補。ぜひ壁を乗り越え、2015年夏の様に再び栄光を掴める大投手になっていくか、その成長過程を見守っていきたい。

情報提供・文:2015.12.31  河嶋 宗一

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