選手名鑑

寸評
反動をつけたフォームから投げ込む140キロ後半の速球は回転数が高く、本物の速球派右腕。そんな白村について最後の夏から迫っていきたい。
(投球スタイル)
マックス 148キロ
常時130キロ後半~145キロ
スライダー 125キロ~130キロ
ストレートの威力については2009年度の高校生の中でトップクラスだろう。
変化球はスライダーのみ。この日はストレートとスライダーのコンビネーションであった。しかし、時折スライダーが甘く入ることがあり、それを痛打されていた。
(投球の攻め)
桐蔭学園戦では速球中心の投球であった。確かに伸びのある直球なので、ねじ伏せるつもりだったのだろう。ただ夏になってくれば、速球のみで抑えられるほど甘くない。桐蔭学園の打者が、彼の速球を力負けせず、振りぬいているのをみると、やはり速球のみだけでは厳しいだろう。伸びのある直球を活かす為に変化球を交えていくのだが、スライダーのみだけではやはり厳しい。
最速148キロまで伸ばしたことは評価したいが、まだ粗削りなところが見られる。
(投球フォーム)
白村のピッチングフォームでまず目につくのはテークバックの大きさ。高校時代はこのテークバックで試行錯誤していた。
選抜ではテークバックを小さく取った、コンパクトなテークバックであった。また、テークバックをうまく隠して投げていたので、とても実戦的なフォームをしていた。このときは、感心しながら見ていたが、夏ではコンパクトなテークバックは影を潜め、もとのテークバックを大きく取ったフォームになっていた。
そして、テークバックを大きく取ったときに右肘がだいぶ下がり、リリースしたときに、角度も付けすぎてしまい、また左肩が下がってしまっているので、相変わらず負担の大きいフォームである。しかし、もしこれがなくなると、彼の伸びのある直球は影を潜める危険性はあり、そう簡単に矯正できるものはない。しかし、消耗しやすいフォームなので、アフターケアをしっかりやらないと、球速が急激に下がる可能性も否定できない。
将来の可能性
長く慶應の投手を見てきたが、速くて伸びのあるストレートを投げる才能はピカイチだった。しかしストレートを生かすために、投球術で試行錯誤を続けてきたが、最後の夏では満足いくピッチングができずに終わった。
- 2019 年 2 月
- 2009 年 10 月
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