今宮 健太選手 (明豊)

今宮 健太

球歴:明豊

都道府県:大分

ポジション:投手, 遊擊手

投打:右 / 右

身長:171.0 cm

体重:70.0 kg

学年:卒業

短評

高校全日本代表 全試合で1番を打ち、投手も努めた。 コラムより抜粋 <今宮健太の「気」>  確かに、菊池雄星は今大会の注目の的だった。長身から投げ下ろす154㌔のストレートはすごかった。力みのないフォームも理想的だ。けがを押して投げ抜いた姿は感動だった。日常生活から自分を律する彼の生き方も立派だった。だが、僕にはそれ以上に感動させられた選手がいたのだ。 明豊の背番号「6」には大いに感動したものだ。実は、今大会中、この5年では初めて、僕は3度泣いてしまった。高校球児の、ひたむきな姿に心が打たれたからだが、3回中の2回は、同情や慰め、そういった要素から出る涙だった。しかし、残りの1回の感動は確かに違ったのだ。  明豊の遊撃手兼投手、今宮健太の男気に、涙が出た。  忘れられないシーンがある。  敗退することとなった準々決勝の花巻東戦。9回表の出来事である。同点に追い付かれ、なおも1死・二塁のピンチを迎えたが、今宮は、本来、守るべき三塁ベースを明け渡し、マウンドへ駆け寄っていってしまう。当然、花巻東の二走・横倉は三塁へ陥れるのだが、その好走塁も、好走塁に見えないほど、今宮の姿に心を打たれた。  試合前日の、今宮の言葉を思い出す。「(2年生の投手)山野は本当に可愛いやつなんですよ。小学校から一緒に野球をやってきたやつで、僕をしたって、このチームにも来てくれたので、本当に」。  つまり、今宮が三塁を明け渡し、マウンドへ駆け寄ったのはそう話した山野のマウンド上で姿が気になったからだ。兄貴分として、どうしても、マウンド上で半ベソをかいていた山野をほおっておくわけにはいかなかった。三塁ベースは放ってでも…助けたかった。 今宮健太(明豊)  マウンドに登った今宮は、山野の頭をなで、背中を押して、ベンチへと帰らせた。「マウンドは俺に任せろ」といわんばかりに…。試合後、その時の気持ちを今宮はこう話している。  「山野に負けさしたくなかった」  第1球目のストレートは149キロ、続けて、152キロ、154キロとストレートを連発した後、133㌔のスライダーで三振。 続く打者には153キロ、151キロ、153キロ(ファール)154キロ、152キロと連投し、最後は129キロスライダーで三振。 まるで、藤川球児を思わせるような、堂々としたピッチング。  これが、マウンドに上がる前の彼の心意気を見ていたからこそ、この回の今宮のピッチングには震え上がった。涙が出た。  そもそも、ここに来るまでの今宮は、ライバルたちと熾烈な戦いを繰り広げてきた。1回戦では興南の島袋に対し、1点ビハインドの8回裏、二死で回ってきた打席で狙い澄ましたかのような長打を左翼超えに放ち、4番・阿部の適時打で同点ホームを踏んだ。試合後には「長打が欲しいと思ったので、少し、大きい目のスイングで狙った」と口にしたほどだ。  2回戦の西条戦では、試合前に、「相手は注目されている投手なので、そういうのには負けたくない。秋山君の得意球・ストレートを狙っていきたい」と、宣告したほどだ。結果的には打てなかったが、試合後の彼のコメントは見事だった。  「個人的には完敗です。あんな重いストレートは見たことがない」  ここでも、分かってもらえたと思うが、今宮の魅力はマウンドやバッティングだけではない。そのコメント力にも魅力十分なのだ。3回戦では「雑誌で注目されている投手。対戦したかった選手の一人。島袋といい秋山といい、僕には運がある」と試合前に語ったほどだ。
更新日時:2013.01.10

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です