伊藤 銀次選手 (今治工)

寸評

　ガッチリした体格から投げ込んで来るスリークオーターで、チームでは絶対的エース。特に球種によってサイドハンドに近い位置から腕が出てくる投手で、深く重心を沈み込ませて来る。 （第一印象） 　事前に名前は知らない選手でしたが、馬力のある投手との印象を受けました。ボールに力があり、2013年度の愛媛を代表する存在になるのではないのでしょうか。 （投球内容） 　球速は、常時130キロ前後～中盤ぐらいまで出ているように見えます。速球中心に押してきますが、カーブ・スライダー・チェンジアップなども併せ持ちます。細かい制球力はありませんが、ストライクゾーン中心にボールどんどん投げ込んできます。牽制・フィールディングなどの動きもよく、クィックも1.0秒前後と高速で、運動能力は高そうです。 ＜長所＞ 　グラブは最後まで身体の近くにあるので、アバウトですが両サイドにボールを散らします。足の甲で深く地面を捉えており、高めに抜ける球はそう多くはありません。「球持ち」も悪いようには見ませんが、指先の感覚がもう一つなのかボールのバラツキはまだ目立ちます。動作は良いので、一冬超えてその辺がどのぐらい変わってくるのか注目したいですね。 　腕の振りが力強く、速球と変化球の見極めは困難。また「体重移動」もよく、打者の手元まで力強いボールを投げ込めます。 ＜課題＞ 　特に着地が早いわけではないのですが、右サイドハンドやスリークオーターの腕の振りなので、多少ボールが見やすい感じはします。それほど甘くない球でも、ヒットにされてしまうケースが目立ちます。

将来の可能性

　事前に全く知らない投手でしたが、中々の投手でした。上手く一冬超えてパワーアップを続ければ、夏までには140キロ近い球速も望めるかもしれません。高校からプロといった投手ではないかもしれませんが、2013年度の愛媛の高校野球を語る上では覚えておいて損はなさそうです。