浅見 好誠選手

浅見 好誠

球歴:

ポジション:投手

身長:168.0 cm

体重:63.0 kg

学年:卒業

寸評

夏の甲子園一回戦・宇和島東戦では、内野安打一本に終わった 後藤 駿太。しかしアウトにこそなったが、ボールを的確にミートポイントで捉えていた。続く北大津戦では、ダイビングキャッチから一気に飛び出したランナーを捕殺して余計な力みがなくなり、その後二打席でヒットを連発。元来の思いっきりの良いスイングが、蘇ってきた。 春季関東大会の時点で☆をつけたその評価は、この甲子園でも揺らぐことはなかった。今回は、高校球界屈指と言われる、三拍子揃った男の最後の寸評をお送りしたい。 (プレースタイル)  鋭い打球で野手の間を抜けて行くのが、この選手の持ち味。けして筋骨隆々体格ではないのだが、バットの芯でしっかりボールを捉えられるので、打球はしっかり伸びて行く。春季関東大会で魅せた、センターバックスクリーンに一直線に伸びて行った打球は、今でも忘れられない。 (守備・走塁面)  この選手、左打席からベース側にしっかり踏み込んでから走り出すので、どうしても一塁までの塁間は、それほど速いタイムは出ない。そのため一塁までの塁間は、4.1~4.2秒ぐらいと平均的。ちなみに走力の目安としては 3.9秒弱  プロで足を売りに出来るレベル 4.0秒前後 足を売りに出来るのかは走塁センスにもよるが、プロでも俊足の部類 4.2秒前後 スカウトが、プロの基準と判断するタイム 4.3秒以下 プロの基準以下となり、割り引いて考える となる。上記の数字は、左打者の目安であり、通常右打者の場合、タイムから、0.3秒を引くと、同等の走力が計測することが出来る。ただし、セーフティバントや左打者が一二塁間に引っ張ったような、最初から一歩目のスタートをきっているような場合は、参考資料とはならない。  後藤選手の場合、プロの基準に混ぜると、基準~やや上程度のタイムでしかない。しかし三塁までベースランニングは、11秒台前半。彼の最大の持ち味は、加速するベースランニングの速さに集約され、このタイムは、プロでも上位レベルの脚力となる。そのため彼自身が持っている走力は、一塁到達タイムでは計り知れず、実際にはもっと速いと考えて良いだろう。  ただ夏の群馬県予選では、6試合で盗塁は僅か1個。春季関東大会では、スタートの良い積極果敢な走塁が目立ったものの、まだまだその技術・積極性においては、課題が多いのかもしれない。プロで足を売りにできるのかは、現状微妙だと言えよう。  打球への勘・守備範囲の広さ・球際の強さなども、高校生としてはA級だ。その最たるものが、北大津戦に魅せたダイビングキャッチ。そして一塁への好返球である。将来的に、上のレベルでも売りにできるだけの守備力を有する可能性は充分あり、そういったセンスは持ち合わせている。  ただ気になるのは、何処か痛めてしまったかのような返球動作。それでも強肩ぶりは健在だし、制球力も安定しているので能力的には問題はない。ただ将来的に今の投げ方だと、また痛めるかもと言った不安はよぎる。投げても140キロ台を記録すると言われていた強肩も、最後の夏は、僅か1/3イニングしか公式戦で投げていない。  いずれにしても現時点で守備・走力共に、プロに混ぜても中の上レベルの能力を有しているし、更にその指導・努力次第では、それぞれの分野で売りにできる可能性を秘めている。真に三拍子揃った選手に育つ可能性は、充分ありそうだ。 <課題>  相変わらず打撃の準備段階である「トップ」を作るのも遅れ気味。その一番の要因は、バットを後ろに引くのが遅いからだと考えられる。この辺の技術を見ていると、少しプロでもスピードに対応するのは、苦労するかもしれない。 (それでも)  技術的にはまだまだ課題はあるが、変化球を上手く合わせる技術も兼ね備える。確実にミートポイントで捉えられる技術・変化球に対応しうる上手さ・難しい球を見極める目・ヘッドスピードの鋭さなどには非凡な才能があるという春の印象は、最後まで変わることはなかった。
更新日時:2010.09.23

将来の可能性

甲子園の第二試合途中でダイビングキャッチ~捕殺を決めると言うプレーをするまでは、緊張なのか?彼らしいプレーが陰を潜めた。そう考えると、けして環境適応に早いタイプではないので、プロでどの段階できっかけを掴めるかで大成への道のりも変わってきそう。また野球への意識も春季大会を観る限り並であり、一軍の戦力になるには3年~5年程度はかかるのではないか。 それでもプロを意識した時に、三拍子すべてに関して「プロの基準」を満たしており、「心技体」の観点でも大きな破綻はない。西川遙輝(智弁学園)外野手と共に、高校球界では屈指の外野手と言えるのではないのだろうか。この二人が、どんな成長曲線を描いて行くのか、個人的には興味が尽きない。ぜひ高校からプロに入って欲しい選手であり、ドラフト会議当日には中位指名前後での指名が期待できそうだ。
更新日時:2010.09.23

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