八巻 弓真選手 (狭山清陵)

春日部共栄を完封した狭山清陵の146キロ右腕はどんな投手なのか？

　春季高校野球埼玉大会で22日に行われた1回戦で、強豪・春日部共栄から完封勝利を挙げた狭山清陵の146キロ右腕・八巻 弓真投手（3年）。県大会前までは知る人ぞ知る存在だったが、春日部共栄相手に完封勝利したことで、多くの埼玉の高校野球ファンに知られる存在になった。この時期になると140キロを超える速球を投げる投手は多く現れるが、他の投手にはない魅力が八巻にはある。 　好調時には146キロをマークするが、常時は130キロ後半〜140キロ前半程度。それでも球速表示以上に直球の強さを感じさせる球質で、直球で三振を奪うことができる。 　変化球はスライダー、カーブなど色々な球種があるが、まだ絶対的な決め球はない。それでも考えながら投げているのが伝わり、相手打者の反応を見ながら投げているのがわかる。 　投球フォームでは、下半身の使い方が西武・水上 由伸投手（帝京三出身）と似ていると思い参考にするなど、自分の動きを理解しつつ、参考にするべき投手が明確な点からもクレバーさがうかがえる。 　ひと目見て、高卒プロというスケール感を持った逸材ではないが、冷静に相手打者を見て、ピッチングができる。大事な試合に向けて、目先の結果に左右されず、自分の武器を試すことができる。 　時折、思わず唸らされるような強い直球もあり、春日部共栄相手にもしっかりと押し切った。これから対戦する学校のレベルが上がることで失点も多く増えることもあるかもしれないが、将来的には驚くほどの成長を見せるかもしれない。そんな可能性を八巻は秘めている。