友廣 陸選手 (北陸)

友廣 陸

球歴:北陸

都道府県:福井

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:185.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

高校最後の打席が忘れられないホームラン、苦労が報われた最終回の一振り

<第105回全国高校野球選手権記念大会:慶應義塾9ー4北陸>◇11日◇2回戦◇甲子園

 「ごほうび」は最終回にやってきた。北陸(福井)の背番号1、友廣 陸投手(3年)は、信じられないといった表情で、本塁のベースを踏んで、ベンチに戻ると、チームメートにもみくちゃにされた。9回最後の攻撃で打席に立った友廣が2ランを放ったのだ。

 慶應義塾(神奈川)との初戦。前半で大量リードを奪われ、0対9のまま最終回を迎えていた。このままでは終われない北陸ナインがようやく反撃。代打・宮脇 隆之介外野手(3年)が適時三塁打を放って2点を返す。続いて打席に入った友廣が甘く入った2球目のスライダーを思い切りすくい上げると、打球は甲子園左翼席へ吸い込まれた。結局4対9で敗れてしまったが、友廣をはじめ北陸ナインには涙はなかった。

 それまでのうっぷんを晴らすようなスイングだった。友廣は昨年秋からエースで4番の大黒柱だった。昨年秋の北信越大会優勝の立役者でもあった。しかし、今センバツでは先発するも高知(高知)相手に6回3失点で負け投手に。打席でも3打数無安打に終わっていた。その後、夏に向けてリベンジを誓ったが、福井大会初戦で右肘を痛めてしまう。その影響で待望の甲子園初戦もスタメンから外れていた。しかし、4回途中からマウンドに上がり、5回の最初の打席で安打をマーク。勝負を諦めていない1人だった。

 7回には清原和博氏の息子で話題の清原 勝児内野手(2年)と対戦。3球すべて直球勝負を挑み左飛に打ち取った。

 そして、0対9で迎えた最終回。3番から始まる打順で8番の友廣まで打席が回ってきたのが嬉しかったに違いない。最後になるかもしれない打席で、痛めた右肘を強く振り抜いての本塁打。これまでの苦労が全て吹っ飛んだ。

 次のステージで大きく羽ばたくことを祈る。

更新日時:2023.08.12

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