青野 流果選手 (専大松戸)
県内無敗の専大松戸のキーマンは世代屈指の151キロ右腕ではなく、実戦派サイドハンド
この夏の甲子園(第105回全国高校野球選手権記念大会)に出場を決めた専大松戸(千葉)は、秋、春、夏と千葉県で優勝し、県内無敗を誇る。世代屈指右腕の平野 大地投手(3年)が大きく注目されるなか、勝ち上がるためのキーマンは、実戦派の右サイド・青野 流果投手(3年)だとみている。
この春から夏にかけて着実な成長が感じられた。初めて見たのは昨秋の県大会。130キロ前後ぐらいで、強豪校相手の接戦の場面で任せられるような力量ではなかった。秋の投球や体つきのままでは勝負できないと感じられた。センバツでは準々決勝の広陵戦1試合のみ。それも勝負が決した場面での投球だった。まだトーナメントで厳しい場面で投げられるほどの信頼に達していなかった。
ただ、持丸監督はセンバツ前からトーナメントに勝ち上がるには速球派が打ち込まれやすいので、右サイドの存在が重要と語っていた。その右サイドが青野で、かなりがっしりした体型となっていた。
春の県大会。平野抜きで戦うことを決めた持丸監督は青野を厳しい場面で抜擢した結果、青野は成長を見せた。常に自分の間合いで勝負できる投手になっていた。常時130キロ中盤(最速139キロ)の直球は明らかに威力が増していた。ベースギリギリに攻められる制球力も身につき、120キロ前半のスライダーを軸に投げ分けていた。
厳しい公式戦、練習試合を投げていく中で、どういう心理状況ならば甘い球にならないのか、こういう配球をすれば長打になりにくい、ということを打たれながら感じ取っていった。学習能力が高く、それを公式戦でも実行できる強さを持っている。
戦国千葉と呼ばれる夏の千葉大会で、青野なしでは甲子園はなかった。上位進出に期待がかかる専大松戸。やはり青野の投球に期待がかかる。
更新日時:2023.08.12
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