立田 将太選手 (大和広陵)

立田 将太

球歴:大和広陵

都道府県:奈良

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:181.0 cm

体重:82.0 kg

学年:卒業

寸評

 将来の先発候補として面白いとドラフト前からピックアップしていたのが立田将太。注目の奈良大会準決勝の智弁学園戦では打ち込まれたとはいえ、大きな将来性を感じさせた。骨格が太い体型、股関節を柔軟に使った再現性が高いフォーム、投球センスなど、2014年度の高校生右腕としては全てにおいてハイレベルとも言っていい投手だ。   自己主張が強いタイプゆえに、出会う指導者によって大きく変わる投手だが、個人のスタイルを尊重し、投手を大事に育てる姿勢がある日本ハムは、立田にとっては良い球団ではないだろうか。 (投球内容)  サンプルはもちろん智弁学園戦から。  右オーバーから投げ込む直球は、常時140キロ~140キロ中盤は出ていてもおかしくない球筋の良さがある。プロで専門的なトレーニングを受ければ、145キロ~150キロまで速くなる可能性を秘めている。  変化球はスライダー、カーブ。立田の場合、2つともブレーキが効いた変化球で、良い。スライダーはもっと速度が速いモノを習得できるようになるとなおいいだろう。  この日は雨の影響でボールがすっぽ抜けることが多かったが、本来ならばストレートを軸に組立て、緩急を使って、高めのストレート、あるいは、低めに変化球を落として打ち取るオーソドックスなパターンだ。今後はさらに投球パターンを増やしていける可能性を秘めているだろう。  あと4番の岡本和真に対しては、気持ちを出して投げられる投手のようで、6回表に奪った本気のストレートは素晴らしいものがあった。強打者に対して、どれだけ自分の力を発揮できるかが、好投手を見る指標になるが、立田も強い相手ほど力を発揮出来るメンタルの強さを感じられた。  岡本の攻めを見る限り、立田は右打者相手にはかなり得意にしているように感じる。  だが4番吉岡郁哉など左打者に対し、ややストレートが置き気味なのだ。立田のような右の本格派右腕は左打者はいかに外角ストレートを速く見せる配球ができるかだが、やや安易な攻め方をしている。また安易な攻め方せざるを得ないぐらい引き出しが少ない。プロならば、やはり縦の変化をマスターをしていかないと上のレベルで抑えるのは難しいだろう。  クイックは1.2秒前後と標準タイム。ランナーが二塁にいる時の投球を見ると、観る回数を1回、2回にしたりと、いろいろ工夫をしている。 (投球フォーム)  ワインドアップから始動し、左足を回しこむように上げていき、右足のひざを曲げて真っすぐ立つ。左足をショート方向へ伸ばしていきながら、重心を下げていき、着地する。  縦系の変化球を投げようと、お尻から先行するヒップファーストはできている。縦系の変化球の習得は十分に可能ではないだろうか。  立田の欠点として踏み込んだ左足が開いてしまうことを欠点に挙げた。それにより左肩の開きが早くなってしまい、出所が見やすくなっているのが欠点だったが、だいぶ左足の開きを抑えるようになった。  テークバックを見ていくと内回りの旋回をしていいきながら、しっかりとトップを作ることができている。肩甲骨をしっかりと動かしながらテークバックを取ることができており、バランスが良い。そしてリリースに入る。打者寄りでリリースすることが出来ており、球持ち自体は悪くないのだが、どうもリリース時にすっぽ抜けが多く、気になった。これは一時的なすっぽ抜けで、何が原因で、すっぽ抜けているかは把握していると思う。ストライク先行で投球を組み立てていたので、あまり気にはしていない。    最後のフィニッシュでは、以前よりも踏み込み脚がしっかりと踏ん張り、体重が乗った状態でフィニッシュを終えることができている。  課題は左足の使い方にあり、左足の開きを抑えられることで、体全体の開きも抑えられ、角度を活かした投げ方が出来るようになるだろう。
更新日時:2014.12.29

将来の可能性

 フォームを見ると下半身主導の投球フォームで、ストレートの質も良く、変化球のキレも良い。マウンド裁きも落ち着いていて、少ない球種の中でしっかりと投球を組み立てている様子が伝わってくる。自分と言うモノをしっかりと持っている投手なので、意識の高い選手が多く集まる北海道日本ハムの環境では、彼の引き出しを多く増やすことが出来ると考える。  トレーニング、変化球の引き出し、投球術など様々なことを学べる環境。その環境でも吸収できる投手、うまくモノに出来ない投手が分かれてしまうが、立田の場合はしっかりと吸収できる下地はある。  まずはプロで通用する体力を身に付け、ファームで登板経験を重ねながら、2年目はファームでローテーション入り。3年目から一軍定着ということになるだろう。今年、ブレイクした上沢直之と同じルートをたどることが出来れば理想だ。  高卒を中心に素質の高い若手投手が集まる北海道日本ハム。その競争を勝ち抜くだけの実力は十分に感じられた。
更新日時:2014.12.29

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