赤嶺 由生郎選手 (那覇西)
短評
コラムより抜粋(2016年7月15日) 沖縄の野球ファンの中でも、驚きの声が上がったのが那覇西のベスト4だ。1989年に夏の選手権沖縄大会に初参戦した那覇西は昨年創立30周年を迎えたばかり。夏の大会ではベスト16が最高位であった。だが宜野湾との延長13回を制すると、前原との10回をも制した。その原動力は主戦赤嶺 由生郎(あかみね・ゆきろう)だ。 赤嶺は2年生の春の県大会で早くも登板を果たす。昨年の夏にはエースとしてマウンドを預かり1、2回戦連続完封。沖縄尚学には力の差を見せつけられたものの、防御率2.25は彼に自信を植え付けたことだろう。そして迎えた秋の県大会。6回途中で4失点を喫する不調で途中降板。チームもそのまま大敗してしまった。だが、この敗退が彼を奮い立たせたことは想像に難くない。 年が明けた春の県大会で赤嶺は沖縄水産との延長15回を投げ抜き、翌再試合でも終盤を迎えたが、チームは敗れてしまう。しかし赤嶺個人の成績は、沖縄尚学諸見里俊や糸満・平安常輝、豊見城・翁長宏和らと比べても遜色ないほど輝いていた。防御率は0.69をマーク。本格派投手の指標の一つであるK/BBの数値は6.00と非常に高かった。加えて延長15回を投げ切るスタミナもある。四球を出さず三振を奪える赤嶺がいることでナインの安心感は想像以上だろう。それが相乗効果を呼び、自信が生まれたことで緊迫した展開でも我慢強くなった。それが宜野湾と前原の延長での勝利でもある。 この夏の赤嶺は43イニングを投げて防御率1.29、K/BBは3.20と春に比べて下がったものの奪三振率は6.70。4試合で600球以上を投げているタフネス右腕なら、嘉手納・仲地との投げ合いを制してもなんら不思議はない。昨年夏のベスト16を経験した赤嶺が、、そう。巨人軍に指名された普天間の與那原大剛(関連記事)のように成長を続けていたと仮定したならば、この夏の大躍進も何ら不思議はないのである。
更新日時:2016.07.29
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