短評

　東北大会の休養日に福島の伝統校・福島商へ訪問した時、楽しみな選手がいた。それが遊撃手の佐久間大和内野手（3年）だ。捕球練習や、シートノックで見た時、その動きの良さに目を奪われた。


　一歩目が非常に速く、打球に追いつくまでのスピードが全国レベル。捕球してから送球に入るまでが速く動きのキレ味、持ち替えの速さも一級品と呼ぶにふさわしい。率いる渡辺監督も指導者生活の中でも1、2を争う守備力と絶賛していた。主将で正捕手の高橋公太選手も「（佐久間）大和の守備は捕手の自分から見てもすごくて、頼りになる大きな存在です」と絶大な信頼を寄せる。


　170センチ、69キロと小柄でありながら、大きな選手に負けない強みがある。憧れは育成枠から這い上がった西武の滝澤夏央内野手（関根学園出身）。さらに佐久間が凄いのは、捕球練習の際、後輩にしっかりと動作を教えこんでいたところだ。ノックの際も練習を止めて、捕球の仕方を実演しながらアドバイスを送っていた。これは自分の動作に対して言語化できる証明であり、もちろんアマチュア球界の一流遊撃手と比べたら劣るところはあるかもしれないが、高い知識、意識でプレーしているからこそであり、今後の伸びしろを感じる。


　将来はプロ野球選手。だからこそ大学野球でプレーしたいと志す。最後の夏はどんな活躍を見せるか楽しみだ。