選手名鑑

寸評
今年の2年生には好投手が多い傾向にあるが、九州地区でNo.1のポテンシャルを持った投手として評価されているのが、最速152キロをたたき出す藤蔭(大分)の速球派右腕・松石信八(しんや)投手。身長173センチ体重65キロと、どちらかというと「軽量」ながら、最速152キロをマークした。多くの投手がパワーアップ、球速アップを目指し、体重増に励む中、この「軽量」で、剛速球を投げられる原点はどこにあるのか。
中学時代、佐賀県出身の松石は、硬式野球チームの強豪・佐賀フィールドナインに入団する。
はじめは目立つ存在はなかったと語るが、チームでのある指導をきっかけに球速が一気に伸びた。それが「ヒップファースト・ジャブ・ストレート」という指導だ。
「ヒップファーストは、お尻から前に出て、ジャブは左手を突き刺すようにして、ストレートを打つイメージで右腕を振っていきます」
この指導で技術的な感覚をつかんだ松石は、中学3年の春に135キロを記録すると、6月には公式戦で142キロを計測。九州地区以外の高校からも誘いを受けたが、最終的には「勢いのある雰囲気」に惹かれて藤蔭高校への進学を決め、現在に至る。
152キロは瞬間的な数字かもしれないが、速球を投げるコツ、体の使い方をつかんでいるのは間違いない。取材日の投球練習でも、上半身、下半身をバランスよく使った投球フォームから繰り出す速球には勢いがあり、本物の速球投手と思えた。
軽量型の速球投手といえば、172センチ、68キロのオリックス・山岡泰輔投手(瀬戸内高出身)がいるが、松石はどの路線でいくのか。
体重を大きく増やしていくのか。自分のベスト体重を見つけて、自分の技術を発揮できる体型にしていくのか。来夏まで見逃せない投手だ
情報提供・文:2022.05.21
河嶋 宗一
- 2022 年 5 月
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