短評

　市立船橋（千葉）のエース坂本崇斗投手（3年）は、チームを28年ぶりに千葉県の春の頂点に導き、関東大会出場など春の躍進を支える投球を見せた。

　最速は141キロ。平均で130キロ中盤を計測する直球を軸に、130キロ台のカットボールを交えて打たせて取る投球を展開する。

　セットポジションから、軸足に重心を乗せるようにひねりながら左足を上げると、下半身の力も使って鋭く回転。横回転の動きに連動させて、スリークォーター気味の高さから右腕を振り抜くが、全体的に反動をあまり使わずにコンパクトにまとめている。

　一時、肘のケガに襲われて戦線を離脱していたが、その経験をしたことで球質向上のきっかけをつかんだ。

　リリースのイメージを「前よりも早く、そしてはじくように投げるように心掛けました」と細かなところに気を配り、成長を目指してきた。オリックス・山本 由伸投手（都城高出身）を参考にしたこともあり、球質が向上したことを坂本の中でも手ごたえがあった。準決勝・拓大紅陵戦でも120キロ台の直球でも打者を差し込んでいた。

　ケガを経て成長した右腕が、関東大会の舞台でさらに大きな経験を積み、夏の大会に繋げていく。