茨木 秀俊選手 (帝京長岡)

茨木 秀俊

球歴:帝京長岡

都道府県:新潟

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:182.0 cm

体重:85.0 kg

ボールスピード:147 km/h

学年:卒業

元プロ監督が育て上げた147キロ右腕。12球団のスカウトも視察する逸材は近い将来、先発ローテーションも担える可能性あり!


 10月20日の今秋のドラフトを前に、今年の高校生右腕のなかでもトップレベルの評価を受けるのが、帝京長岡(新潟)の茨木 秀俊投手(3年)ではないだろうか。182センチ、85キロと恵まれた体格から、最速147キロの速球と多彩な変化球を操る。大化けの可能性を持った投手で、元プロの芝草監督から徹底的に技術、メンタル面をたたき込まれ、12球団から調査書が届くまでの投手へと成長した。そんな茨木の将来性について考えていきたい。 (投球内容)  直球は常時130キロ後半〜140キロ前半。速球投手が多い現代でも突出して速くはないが、スピンがかかった直球を、低めと両サイドにしっかりと投げ分けることができて、かつストライク先行もできる。高校生の時点でこの意識で投げられるまでになれたのも、練習を重ねてきた成果だろう。  ドラフト候補の投手の課題として、制球力向上と出力向上(球速アップ)のどちらの克服が難しいかといえば、圧倒的に制球力向上だと言える。しかし、茨木の新潟大会の投球や、投球練習を見たなかで、コントロールに苦しむ姿は見られなかった。   変化球の精度も高い。特に打者の手元でブレーキングして落ちるチェンジアップは、高確率で空振りを奪うことができる。「OKボール」のような握りで投げ、打者には直球と思わせて三振を奪うのが理想的だという。  実際に茨木と対戦した打者は「チェンジアップはかなり厄介だった」と口をそろえる。さらに横滑りするスライダーや、縦スライダーは120キロ後半を計測。110キロ台のカーブの精度も高く、大きく揺れるカーブは打者の目線をずらすことにも成功している。  横スライダーは打者の手元で鋭く変化し、高確率で空振りを奪うことができる。内外角への攻めと緩急を使い、直球をより速く見せるなど、投球の完成度は高い。  接戦でも気持ちを切らさず、ゲームメークできる精神力の強さも魅力だ。  まだ出力は物足りないが、20歳ぐらいには、常時140キロ後半・最速150キロオーバーをしていてもおかしくない。 (投球フォーム) 合理的な投球フォームが長所だ。左足をバランスよく上げていきながら、右足の膝を適度に伸ばしてバランス良く立つ。  その後、左足をそのまま降ろさず、膝をじっくりと伸ばしていきながら、軸足にしっかりと体重を乗せていき、着地を行う。近年はステップ幅が狭く、上体を鋭く振る投手が多い中、沈み込みがやや深いのが特徴だ。左腕のグラブを斜めに伸ばして胸に抱え込む。茨木はグラブを伸ばした時、左手を横に開く癖があったため、それを修正し、さらに真っ直ぐ踏み出せるようになった。  ギリギリまで左肩が開かず、内回りの旋回からトップを作り、リリースに入る。滑らかな体重移動を実現するなど、投球フォームの完成度は高い。ただ速球を投げるだけではなく、低めに回転の良い速球を投げるために実現したフォームである。  すでにプロ12球団から調査書が届いている。制球力、切れのある直球を投げるために主眼をおいて作られた投球フォームのため、プロで矯正する必要がほとんどなく、そのまま出力を高めればいい。  スタミナも豊富で、体操やエクササイズもしっかりとこなす姿勢もあり、怪我にも強そうだ。将来のローテーション候補を指名したい球団にとっては絶好の投手だろう。  3、4位以内で指名できれば御の字だ。高卒3、4年目には1軍での先発登板が増え、いずれローテーション入りも期待できるのではないか。技術的な完成度だけではなく、元プロ監督の芝草監督からメンタル面も徹底的にたたき込まれただけに、大成を期待したい。
更新日時:2022.10.11

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