短評

身長189センチという恵まれた体格を持ち、グラウンドに立てば頭1つ抜けた長身スラッガーとして存在感が際立つ都立豊多摩の藤曲 眞平内野手。打席の中では、その大柄な体格とゆとりある雰囲気が相まって、よりオーラを感じさせる。

ただ打撃は器用な一面が目立つ。
ポイントを手元に引き付けて最短距離でバットを出して、広角に打ち分ける。柔らかさと対応力の高さを兼ね備えたアベレージヒッターの一面が際立っている。そこに関係しているのは、普段の練習から「コースによって、打ち返す方向を変えるようにしています」と素直にボールを打ち返すように取り組んでいる姿勢があった。

さらに都立豊多摩では独自のバッティング練習として、あえて緩いボールを打つメニューもある。その練習を通じてボールを引き付けることが習慣となり「自分の体の中でボールを捉えるようになったので、低めの変化球を見極められるようになりました」と都立豊多摩だからこそあった練習環境で、打者として一皮むけている。

指揮官である増島監督としては、長打力がさらについてくることに期待を寄せているが、広角に長打が出るようになれば、より注目が増してくるはずだ。

都立屈指の大型スラッガーが、春以降にどれだけ活躍できるか。都立豊多摩のキーマンの打棒に期待したい。