半田 真太郎選手 (健大高崎)

未来のトリプルスリー達成を予感、健大高崎1番打者は「機動破壊」の申し子

　「機動破壊」健大高崎（群馬）のトップバッターは、将来のトリプルスリー達成を予感させてくれる。身長こそ170センチに満たない半田 真太郎内野手（2年）には、長打力があって、打撃に確実性もあって、俊足の持ち主。プロ野球でいう「3割、30本、30盗塁」が達成できる素質を感じさせる。 　1年生から甲子園を経験している横浜（神奈川）の左腕エース、杉山 遙希投手（2年）から、秋季関東大会で本塁打を放って見せた。第2打席、鋭く入ってくる内角への直球をクルっと体を回転させ、腕を折りたたんでバットの芯に当ててスイング。打球は高々と舞い上がり左翼フェンスを軽々と越えた。第1打席では、低めの変化球をすくい上げるように左中間フェンス直撃の二塁打を放っている。体格を見ると、どこにそんなパワーがあるのかと思ってしまうが、インパクトの瞬間にすべての力を注ぎ込むようなスイングにその秘密があるようだ。投手がモーションを起こすと同時に、早めに左足を上げ、右足に重心をかけてトップを作る。よほどの下半身の強さがないとできないが、この「タメ」がインパクトへの力となるのだろう。打球が軽々と飛んでいく。 　低めの球に強いのか、空振りも少なくバットに当てるのが上手い。長打だけでなく、右方向への逆らわない打撃、しっかりゴロを転がす打撃など、バリエーションは豊富。1番打者として出塁する素質にもあふれている。 　さらにチームカラーでもあるが、俊足も生かせる。半田の特徴は盗塁では重要な要素となる走り出しが速いことにある。1歩目の鋭さとトップスピードになるまでの速さも持ち合わせている。「機動破壊」を実行する上で、必要不可欠な戦力だ。 　関東大会4強入りしたことで、来年春のセンバツ出場は有力視されている。健大高崎の攻撃は、初回の先頭打者から目を離せない。