今年の明秀学園日立（茨城）で金沢監督から最も期待が高いのが石川ケニー外野手（3年）だ。昨秋まで高校通算20本塁打。母が米国人で父が日本人。米ハワイにいる時も家では日本語で、学校では英語で喋っていたようだ。小学校2年のときに来日。今では授業でも英語は余裕だという。


　目につくのは、フォロースルーまで豪快に振り抜く打撃だ。金沢監督の指導でこの打撃スタイルに行き着いたという。ＮＰＢを狙える選手は体全体を効率よく使って力強く振り抜ける選手だと思っている。その点、ケニーはそれができる選手だといえるだろう。

　構えを見ると、スクエアスタンスで背筋を伸ばしてバランスよく構えることができている。右足をしっかりと上げて踏み込んでいき、トップを深く取って、豪快なスイングを魅せながらも、無駄がない。さらに下半身の使い方も柔軟で、低めの球にも対応でき、ミート力は非常に高い。


　左腕投手としても最速140キロを誇る。右翼から強烈な返球を投げ込み、ほぼ1本バックができる強肩を持っている。強めのキャッチボールを見せてもらったが、実に素晴らしかった。

　能力的にはドラフト候補として十分推せるものがあるだろう。果たして大会No.1左腕と評される鹿児島大島（鹿児島）の大野稼頭央投手（3年）の前にどんな打撃を見せるのか。