石田 健大選手 (飯塚)

寸評

　2年生の頃からチームの4番に座り、高校通算22本塁打のパンチ力を兼ね備えた強打者。福岡予選も、2本塁打・打率.500厘の成績を残し、強力打線の核となり活躍。その勢いは甲子園でも健在で、その片鱗をいかんなく示すことができました。 　 （第一印象）　 打球が非常に強烈で、かつボールを捉えるセンスも兼ね備えます。技術的にも裏打ちされたものがあり、今後の活躍を思わず期待したくなる素材です。　 （守備・走塁面） 　残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できず。ただ福岡予選の6試合で盗塁は0個と、足をアピールするタイプではないようです。ただ守備に関しては、打球への反応や落下点の入り方にも無駄はなく、地肩も基準以上に強く想像以上のものがありました。少なくても、守備で足を引っ張るような選手ではけしてありません。　 （打撃内容）　 　少し猫背で背の丸まった構えが気になりますが、早めに始動するアベレージヒッターの傾向が強い選手。大きく足を引き上げ強く踏み出すタイプであり、強烈な打球で野手の間を抜けてゆきます。確かに強打者ですが、上のレベルでは長打を売りにするタイプではないように思います。　 ＜長所＞　 　始動～着地までの「間」が取れており、大きく足を引き上げても、時間的に余裕が持てる打ち方です。踏み込んだ足元もインパクトの際にブレませんし、右にも左も強い打球が飛ばせる幅のある打撃が特徴。　 　強打者ですが、スイング軌道に大きなロスは感じません。けしてインサイドアウトで振り抜くタイプではありませんが、大きな孤を描きながらも遠回りな印象は受けません。特にヘッドスピードは、今大会に出場した選手でもトップクラスのものがあります。　 　足を大きく引き上げるのですが、目線が動かないのが素晴らしいです。体の開きも我慢できていますし、軸足にも強さが感じられ軸の安定感に優れます。　 ＜課題＞　 緩急にも対応できますし、打球も幅広く打ち返しますし、技術的にも殆ど欠点はありません。しいて言えばせっかく始動が早いのに、少し打撃の準備であるトップの形を作るのが遅れ気味な点でしょうか。

将来の可能性

　技術的にも素晴らしいですし、ヘッドスピード・打球の速さ・ボールを捉える感覚もプロ級です。守備も悪くないのですが、何故それほどの選手がドラフト候補になりえないのか？　結局上のレベルに混ぜてしまうと、長打を売りにするわけではない左の外野手ということになると、極めて守備・走力でハイレベルなものが求められます。しかし彼の場合、走力でそこまでアピールできるものはなさそうですので、特徴に欠けるきらいがあるからでしょう。しかしその能力は確かなので、大学などでも早くから当確をあらわし、活躍するのではないのでしょうか。そういった高いレベルで確かな結果を残せるようならば、プロも今度はドラフト候補としてマークするはず。ぜひ３，４年後には、真の候補として注目を集める存在に育って欲しいひとりです。