横田 悟選手 (近江)

横田 悟

球歴:近江

都道府県:滋賀

ポジション:三塁手

投打:右 / 右

身長:167.0 cm

体重:73.0 kg

学年:卒業

最終回のチームメートの粘りに感謝の涙、すべてを背負った近江の横田主将の夏

<第105回全国高校野球選手権記念大会:大垣日大7ー2近江>◇8日◇1回戦◇甲子園

 必死に笑みをつくっていたが、こみ上げてくるものを抑えきれなかった。

 近江(滋賀)5点ビハインドで迎えた9回。先頭打者が四球で出塁し、2死になっても安打でなんとかつなごうとした。ベンチの最前列で立ち上がっていた横田 悟内野手(3年)の目は、うるんでいたが、最後まで粘りの攻撃を続けていたチームメートの姿を脳裏に焼き付けようとしているようだった。

 最後の夏は不完全燃焼だった。4番遊撃手、主将として臨んだ初戦も、4打数無安打。チームも敗れた。3打席目は左飛に終わったが、カーブに泳がされながらも左翼フェンスぎりぎりまで運んだ技術はさすがと思わせた。さらに、自慢の安定した守備では華麗なゴロさばき、盗塁タッチアウトの素早さなど、随所に甲子園のファンを魅了したが、自分の本来の力を発揮することができなかった。そのふがいなさが、最後にこみ上げてきたのだろう。

 抱えているものもあった。近江は昨年まで2年連続で夏甲子園4強。その強豪の主将となったが、センバツに出場できず、すべてを1人で背負った。その悔しさをバネに、この夏にリベンジを誓い、甲子園に臨んでいたが、そんな思いが強すぎて自分は打席で空回りした。しかし、みんなが最後まで諦めずに戦う姿勢を甲子園で見せてくれたことが主将として嬉しかった。チームメートの思いを感じた時、笑顔にもなり、感謝の涙にもなったのだと思う。

 強豪・近江で1年からベンチ入りを果たしていた横田。次なるステージでは、この日流した涙を生かす日が訪れることを祈りたい。

更新日時:2023.08.09

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