荒城 英治選手 (富山工)

荒城 英治

球歴:富山工

都道府県:富山

ポジション:一塁手

投打:右 / 右

身長:187.0 cm

体重:88.0 kg

学年:卒業

寸評

 この夏の甲子園宇部鴻城戦において、左中間に圧巻の本塁打を放ったのが、この 荒城 英治。187/88の巨体を生かしたそのパワーと、フォロースルーを生かした技術で、圧倒的な長打力を甲子園でも証明して見せた。 (第一印象)  少し構えた時にクローズ気味に立つなど、癖のある構えをしています。それでも富山大会で、2本塁打 6打点 打率.684厘と本格化した印象があります。その勢いをそのまま、甲子園に持ち込んできました。 (守備・走塁面)  一塁までの塁間は、4.6秒ぐらい。これを左打者に換算しても、4.35秒ぐらいと高校生としても平均的。富山予選の6試合でも、盗塁は0。このことからも、足を売りにする選手ではないことがわかります。  また一塁手としても、さほど目立つ動きはありません。富山予選の6試合で、失策は1個。一塁とポジションが限定されている上に、その一塁でもさほど上手いという印象は受けません。そういった守備・走力でのアピールは、あまり期待できないタイプではないかと思います。 (打撃内容) <長所>  踏み込んだ足元が、インパクトの際にブレないのが好いですね。少しクローズ気味に、更にベース側にインステップしてくるので、あまり引っ張りにかかると、ゴロの山を築きやすいタイプ。それでも外角の球を、強引に左中間にぶち込んだのは驚きでした。  かなり腕っぷしが強く、腕力で持って行く打撃に見えます。しかしそれでいてフォロースルーを生かし、ボールを遠くに運ぶ技術も兼ね備えます。 <課題>  始動~着地までの「間」が取れているわけではないので、打てるタイミングは限られています。そのため狙い球をあらかじめ絞り、その球を逃さず叩く「鋭さ」が求められます。ただそういった打撃はできており、更に一度ベース側に足を持ってきて、再度小さくステップし直します。しかしこういった打ち方にも関わらず、ステップし直すタイミングが遅過ぎない点が、高いアベレージを残している一つの要因ではないかと考えます。
更新日時:2012.08.17

将来の可能性

 圧倒的な体格から繰り出すパワーと技術に支えられた長打力は、アマチュア球界に枯渇する数少ない長距離候補です。こういった選手は、多少守備や走力の無さに目をつぶってでも、野球界は大事に育てないと行けないでしょう。今後も上のレベルでも、長距離砲であり続けられることを大いに期待して、見守って行きたいところです。
更新日時:2012.08.17

寸評

 強打・富山工の象徴的ともいえる強打者。打率.684、2本塁打を打ちまくった。甲子園でも左翼席中段へ持っていく豪快なホームランを放ち、長打力は本物だということを全国の高校野球ファンに認識付ける一打であった。あそこまで飛ばせる長打力はやはり天性だ。 (打撃)  外回りのスイング軌道で、ヘッドが下がったスイング。強引だけで飛ばしていったが、滞空時間の長い本塁打は金属バットが飛ぶようになったとはいえ、簡単に飛ばせるものではない。純粋に体の力が強く、体格的なモノはスラッガーとして資質に満たしている。  スタンスはスクエアスタンス。やや猫背気味に構えるのは体質的なモノだろうか。グリップを肩の位置に置いて構えている。インコースが苦手であることを自覚しているのだろう。ベースから遠ざかって構えている。  投手の足が着地したところから始動を仕掛ける。仕掛けのタイミングは遅く、捕手寄りのポイントで強くボールを叩く選手だ。ただ始動の仕掛けが遅いため速球に振り遅れやすく、甘く入ったボールでしか捉える事が出来ない。135キロ前後でも振り遅れてしまうのはタイミングの取り方が遅れやすい形になっているのは関連しているといえる。  トップは深く取っていく。その時に体が前傾気味で、そしてグリップが体の奥に入りすぎるために必然的にヘッドが遠回りするスイングとなり、インコースに詰まらされてしまう。構える位置も工夫するだけではなく、インパクトまでスムーズに力を伝えられる腕の回旋の仕方を覚えていかなければ木製バットに代わる次のステージでは率を残すのは難しい。 (守備・走塁)  守備の動きをみると捕球の仕方が不安定で、腰を据えて守れるようになってほしい。そしてタッチプレーではないことを理解せず、セーフにしてしまったミスがあった。守備面のゴロの捌き方、状況判断など上の世界で重宝される一塁手になるには時間がかかりそうだ。  塁間タイムは4.6秒前後と左打者でも4.3秒ほどとあまり速くない。足で売りにする選手ではないようだ。
更新日時:2012.08.11

将来の可能性

 彼の売りである打撃も課題が見られ、それ以外にも守備、走塁でも上手い一塁手と比べると未熟であり、上のステージで通用する一塁手になるには相当時間かかりそうで、本人の根気強さ、打撃指導が上手い指導者に恵まれることだろう。ただ出来ないことは決して愚かではなく、努力の仕方によって技術の習得は可能であり、彼のような恵まれたパワーを持った選手をフルに活かす事が出来れば、それだけで存在感が出てくるのだ。  個人的には体格は素晴らしいが、技術的に課題が多い選手こそ育ててこそ尊いと思っている。次のステージへ進んでも意欲的に取り組んで大きく化け、スラッガー候補としてプロ注目の選手に成長することを期待したい。
更新日時:2012.08.11

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