渡邊 顕人選手 (都立雪谷)
短評
試合レポートから抜粋 町田小野路球場に多数のNPB球団スカウトが詰めかけた。お目当ては都立雪谷の渡邊 顕人投手だ。183センチ、75キロと均整が取れた体格から最速143キロを誇る大型右腕だ。実戦力はともかく、ポテンシャルの高さは、今年の東京都ではトップレベルの逸材だろう。元プロ野球選手で、投手として活躍した伊達昌司監督も「指先の感覚が優れていて、入学当初から強い球を投げられる投手でした。体も出来て球もだいぶ速くなった」と評価する。 渡邊は2番右翼でスタメン出場した。出番となったのは、4回裏の途中だった。右翼手からマウンドに上がったため、準備不足は否めず、130キロ〜136キロ程度で球は走っておらず、なんとか牽制死でピンチを切り抜けた。5回表のイニング途中では懸命に投球練習を行い、準備をした。 5回裏のマウンドでは、常時133キロ〜138キロ(最速142キロ)の直球と、120キロ前半のスライダー、フォーク、110キロ前半のカーブで配球を構成し、無失点に抑える。しかし6回に集中打を浴び、4点を失う。渡邊は「しっかりと攻めるところに攻めきれず、甘いところに入ってしまった」と反省する。確かにこのイニングは明らかに力のない直球が高めに浮いてしまい振り抜かれてしまった。 7回以降は球速が135キロ程度にとどまり、計4.2回を投げ、74球、被安打6、4奪三振、3四死球、6失点(自責点5)と満足いく内容ではなかった。 持っているモノは悪くない。5回裏の迫力満点の直球には非凡なものがあり、惚れ惚れさせられた。本人が得意とするカーブも、もっと磨ければ面白いし、スライダー、フォークの精度も悪くない。まだ発展途上だからこそ、完成形はどんな投手になるのか楽しみなものがある。都大会初戦敗退ではあるが、まだ追跡が必要な投手であることは確かだ。 「高いステージにいくには、夏に150キロを投げることはマストだと思っています」 高いモチベーションを持ってどれだけレベルアップするのか。夏までに、東京都を盛り上げるパワーピッチャーへ進化することを期待したい。
更新日時:2022.07.17
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