岸 快誠選手 (日本ウェルネス東京)
短評
レポートから抜粋 この夏、躍進を期待された要因にエースの岸快誠の存在がある。181センチ83キロと恵まれた体躯から最速145キロのストレートを投げ込む。菅田中時代は無名の存在だったが、東京日本ウェルネスでメキメキと伸び、2年夏では先発を経験。順調にステップアップしたように見えたが、2年秋、大東一戦で初戦敗退を喫した。 「去年は自分にとって悔しい1年。それを取り返そうと冬場の練習に取り組んできました」 球威は大きく向上し、埼玉の強豪・昌平との練習試合では高校通算55本塁打の吉野創士から2三振を奪うなど、7回1失点の快投を見せている。多くの選手が成長し、美齊津監督は「秋初戦敗退から大きく成長したと思います」と選手の成長に目を細める。 しかし岸は6月頃に腰を痛めて調整が遅れ、大会直前に実戦復帰できるようになったものの、長いイニングを投げるのは難しいため、リリーフとしての待機だった。 マウンドに登ったのは3年生右腕の東谷泰輝。東谷は125キロ前後の直球とスライダーを投げ分け、3回まで無安打の快投を見せたが、4回表に立教池袋打線につかまり、6連打で4失点。その後、2番手右腕・西村光生位がピンチを凌ぐが、5回表、一死満塁のピンチの場面で、エース・岸が登板する。 岸は「まだ復帰したばかりで、変化球の練習はあまりできなかった」と、自慢のストレート中心の配球。常時136キロ~140キロのストレートでねじ伏せ、二者連続三振。その後も次々と三振を奪い、立教池袋打線の勢いを完全に封じた。 岸のストレートは常時のスピードだけではなく、手元で全く失速しない回転数の高いストレートが魅力。「無駄な四球を出してしまい、良い投球ではなかった」と振り返るが、最終的に4.2回を投げて9奪三振、無安打、無失点。最速140キロが5球と、十分に能力を発揮してくれた。そして7回裏には適時打を放った。ただ、早い夏の幕切れに、試合後は号泣。つないでくれた仲間たちのために勝てず、申し訳ない思いだった。 「野球は続けたいと思っています」 才能ならば、レベルが高い環境でも十分にプレーができて、これから大きく脚光を浴びる可能性を持った逸材投手だろう。
更新日時:2021.07.13
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