前嶋 藍選手 (横浜隼人)

寸評

亜細亜大新入生は楽しみな選手が多い。その中で前嶋 藍捕手（横浜隼人）の投手の持ち味を引き出すリードや試合での立ち居振る舞いを見ると、まさに司令塔。マスクを被ると安心感がある。 　打撃はコンタクトタイプ。内野や外野の間を抜く打球を連発し、次々とチャンスを作る。スクエアスタンスで、グリップは肩の位置に置いて背筋を伸ばしてバランス良く構えることができている。無駄を省いてコンタクトしようとする狙いがある。 　スローイングタイムは1.8秒台を連発。捕球してから送球するまでのステップに無駄がない。ワンバウンドとなっても慌てることなく捕球して難なく走者を刺すことができる。また、相手走者の動きを見逃さず、リードが大きい走者がいれば、難なくアウトにすることができる。 　1球ごとに内野手、外野手にポジションの指示を送る。その指示は実に的確で、相手打者のスイングの動き、踏み込み方を見ながら、どこへ打球が飛ぶかを予測して、指示を送っている。これは常に相手打者の動きを見ながら、打球方向、飛距離を自分の頭の中にデータとして蓄積していなければできない。経験を血肉にできる頭脳の良さがある。 　守備面での特徴は東都向きとも言える。もし、入れ替え戦に回る厳しい戦いを強いられても実力が発揮できるのではないか。緻密な野球を行う亜細亜大にも適した選手であり、リーダーシップもある。この代は「前嶋のチーム」として動くのではないか。