柴山 勇人選手 (日大豊山)

寸評

　日大豊山の3番センターとして活躍した柴山。駿台学園戦、二松学舎戦で右方向に長打を放ち、日大豊山の選手の中では最も印象的な活躍を見せてくれた。 (打撃) 　スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置に置いて、背筋を伸ばしてピシッと構える。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、小さく足を引きあげていき、踏み出す。始動の仕掛け自体は遅く、ボールを手元まで引きつけて強く叩くスタイル。そのためハイレベルな速球に振り遅れやすい傾向にあり、準備はしっかりと心掛けていきたい。 　トップの動きを見ていくと捕手側方向へしっかりと引きつけて振り出す。この選手が良いのは体が開かず、足元がぶれない姿勢でスイングが出来ているということ。特にストレートには幅の広い打撃が出来ており、二松学舎の好投手・鈴木誠也に対しても直球を押し込んで右中間へ飛ばしていったのは素晴らしい打撃であった。 　ただ足上げが小さいことによって偶に間が取れない事が多く、変化球でタイミングを崩される打撃が多く、変化球に対し、自分の間で打ち返せるかが上のレベルで活躍するカギになるだろう。 (守備・走塁) 　打球に対する反応は良く、守備範囲の広さも高校生としては標準以上の守備に達している。中々の強肩で、シートノックから鋭い返球を見せている。まだコントロールが安定せず、シュート回転したボールが見られるので、スローイングの精度を上げていきたい。 　脚力も高く、塁間タイムは4.25秒と左打者に換算すると3.90秒ほどの俊足で、三塁打を打った時のタイムは11秒37(基準12秒29未満)、二塁打のタイムが8秒00(8秒29未満)と基準を上回るタイムを記録している。脚力はあるが、盗塁機会がなく、盗塁能力までは測れなかった。

将来の可能性

　打撃は右中間方向へ強い打球を打てる技術が素晴らしく、俊足強肩を活かした守備・走塁も光るものがあり、十分に次のステージで続けるだけの技術・身体能力は秘めている。 　次のステージでは走攻守で率のない実戦的な外野手を目指すことになりそう。技術をさらに磨き上げ、活躍することを期待したい。