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海老根 優大(大阪桐蔭)
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外野守備は名手クラス、U-15、U-18代表を経験した海老根優大(大阪桐蔭)は打撃面で大化けなるか
今年の高校生を代表する強肩強打の外野手・海老根優大(大阪桐蔭)。U-15、U-18と2世代で代表入りした世代トップクラスの選手だ。
荒削りだが、当たった時のパワーは今年の高校生の中ではトップクラス。外野守備については、名手クラスといっていいほどの技術を持っている。プロ志望届を提出した海老根の可能性について、改めて考えていきたい。
(打撃)
中学時代から海老根の存在を知っていたが、かなり荒削りなタイプに見えた。
高校3年間を終えて、まだ荒削りさは満載だが、よくここまで改善できたと感心している。
スクエアスタンスで、グリップの位置は肩の位置に置いてバットを立てて構えている。立ち遅れをしないように、早めに始動を仕掛けていき、左足を高々と上げて真っ直ぐ踏み込んで打ちにいく。
トップの動きを見ていくと、真っ直ぐ引いていく。背中が後ろに入りすぎず、またスイングの軌道を見ると、耳から出すイメージでバットを振っている。インパクトまで無駄のないスイング軌道で、甲子園でも本塁打やヒットを打っているシーンを見ると、良いタイミングで、振り抜くことができており、良い形で振れている。慣れれば、140キロ台の投手でも捉えることができる。
フォーム自体は悪くないが、海老根の場合、球の見え方があまり良くないのか、特に一級品の投手と対戦すると、変化球についていけていない。大学日本代表との壮行試合や、ワールドカップでも変化球についていけず、三振というパターンがあった。
タイミングが合っていないと、波を打ったようなスイングになっているため、常に自分のフォームで打ててないことが多い。ただ、タイミングが合った時は多少詰まってもパワーで持っていくことができる。
海老根の場合、ボールの見え方があまり良くないのか、140キロ後半の速球、高速変化球を投げる投手に対して、どれだけ球を見極められるかがカギとなりそうだ。
(守備)
守備は野性的に見えて、理知的に感じる。これまでのパフォーマンスについて取材を進めると、ただ身体能力の高さに頼ってプレーしているわけではないのがよく分かった。
特徴的なのは1歩目の速さだ。これは球場の高い位置で見ると、外野手の動きも俯瞰して見られるので、1歩目の反応や守備範囲の広さが分かるが、海老根は今年の高校生の中でも守備範囲の広さがダントツで広い。抜群の俊足だけで追いつけるだけではなく、しっかりと理論に基づいたものだった。海老根はこう語る。
「中学時代(京葉ボーイズ)の関口監督から外野守備のスキルについて多く学ばせてもらいました。今も生きていると思います」
そして観客を沸かせる超強肩。毎回、ダイレクト返球を目指して、思い切り投げ込む。高めに抜けることもあるが、キレイに捕手のミットに収まると拍手が起こるほど、とてつもない送球なのだ。ショーのように見えるが、海老根は「練習で120%のつもりで全力で投げています。それをやらないと、本番では100%の力で投げることができないので」と語るように、実戦を想定してのものであった。
もちろん、送球のコントロールを高めるために、送球時のフォーム、意識付けは、まだ見直す必要はあるだろう。今年の高校生外野手では、トップレベルの身体能力と一定レベル以上の意識付けを持った選手なので、名手クラスになる可能性が高い。
(まとめ)
ポテンシャルの高さはプロ級。打撃はかなり癖があるタイプなので、プロ1年目は2軍でもかなり苦しい成績が予想される。ただ、こういう不器用型の選手は1度、自分のコツをつかんだ時の爆発力は凄まじいものがあるので、プロのスカウト側はそれを望んでいるのではないか。海老根も、想像以上に成長したと思わせる成績を残してほしい。
ただ、海老根は守備については毎年、ゴールデングラブを狙えるほどの名手クラスへ育つ可能性を持った脚力、肩、判断力を持った選手である。ここだけは海老根の強みにしてほしい。
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