玉井 皓一朗選手 (日大豊山)
短評
試合レポートから抜粋 その床枝に匹敵するインパクトある投球を見せたのが、日大豊山のエース・玉井 皓一朗(3年)だ。最速145キロ左腕という前評判通り、184センチ83キロと恵まれた体格から、常時135キロ~143キロの直球を投げ込む。ボールの圧力はドラフト候補として挙げていいもので、思わず詰まってしまう球質だ。ストレートだけではなく、120キロ後半のカットボールの切れ味も鋭い。昨夏、見た時、常時120キロ後半で、体格も良い投手なので、140キロは期待できる投手と思っていたが、まさか現在のカットボールの球速が昨夏のストレートとほぼ同等の球速ということに驚きを隠せない。また130キロ前半で少し曲がるツーシームの精度も高かった。 成長のきっかけとなったのは1月~3月にかけて緊急事態宣言による自粛期間だ。玉井はそれをプラスに捉えた。体重を10キロ近く増やし、投球フォームの見直しを行った。 「体重移動の際に、軸足(左足)を曲げすぎないようにリリースすることを心がけました」 その感覚を掴んで強く投げられるようになったのは5月頃。最速145キロに達した。さらにカットボールをマスターし、ツーシームも使い始めた。しっかりとこの試合に調子を合わせてきた玉井は自慢の直球で押していった。 5回裏は、玉井はさらにギアを挙げ、2番鈴木に対し、143キロ、140キロ、143キロで三振に奪うなど、圧巻の投球内容だった。 力投を続けていた玉井だったが、7回裏、満塁のピンチで、3番床枝に対し、140キロ台の速球、120キロ後半のスライダーで攻める。それに対し粘る床枝。まさに名勝負だったが、この勝負の最中に玉井の足がつってしまった。ベンチに戻り治療を行い、戻ったものの、再開直後の投球がボールになり、押し出し。ここで投手交代となった。 試合は9回裏、一死二塁の場面で床枝が甘く入った変化球を逃さず、劇的なサヨナラ2ランで試合を決めた。 惜しくも敗れた日大豊山だったが、玉井の評価はうなぎのぼりだろう。184センチ83キロの体格に加え、常時140キロ中盤の速球を投げられる上に、130キロ前後のカットボール、ツーシームも投げられる。本人は試合後に大学進学を表明したが、来年以降、大学球界を騒がせる可能性を持った逸材だった。
更新日時:2021.12.12
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