深沢 鳳介選手 (専大松戸)
短評
<レポートより抜粋> 9回11奪三振の完封と、深沢が選抜からの成長を全国に示した見事なピッチングで、選抜準優勝・明豊を下した。その投球がこの試合の勝因であることは間違いない。 選抜からスピードの上がった最速143キロを計測した真っすぐが、内外角関係なくしっかりと決まる。その成長ぶりはストレートの平均球速からも窺い知れる。 中京大中京戦:136.40キロ 明豊戦:138.49キロ 選抜では少なかったストレートで押す場面も見せており、成長した姿を見せてきたが、そのストレートを活かすことに繋がっていたのがカーブだ。 明豊戦では100キロ台のカーブだったが、地方大会では90キロ台を計測することもしばしばあった。この日であれば、ストレートとの球速差は40キロ前後を付けられていることになるが、打者目線にしてみれば、この緩急差はタイミングが狂わされて厄介なボールだ。 しかも深沢が嫌らしいのは、カウントを取りに行くだけではなく、空振りを狙って追い込んでから使ってくることだ。 カウントにしか使わないなら、最悪捨てるという選択肢も攻略方法としてはあり得る話だ。しかし追い込んでから使ってこられると、完全に捨てることは出来ず、多少なりともケアする必要が出てくる。 それが結果として140キロを超える深沢のボールをより際立たせたのではないだろうか。 その深沢はカーブについて、「スライダーが狙われていると感じましたので、それより遅いカーブが有効的だったと思います」と納得の様子だった。 秋の大会を終えてから磨いてきたボールだが、今は目線やタイミングを変える。さらに、低めに決まれば空振りも奪えると、深沢は考えているそうだ。 だからこそ低めを狙って投げるわけだが、他の球種の活かすと同時に、勝負できるボールと位置付けて普段から使っているようだ。明豊との戦いでは、その効果は抜群だっただろう。
更新日時:2021.09.06
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