内田 了介選手 (埼玉栄)
寸評
今年の埼玉県でも1,2を争う好投手として注目を浴びていたのが、内田了介(埼玉栄)だ。東浜巨チックなフォームから140キロ後半の速球を投げ込むが、本人に聞いた時、東浜を意識しているという。そんな内田の投球を振り返る。 多くのチームが長期自粛を強いられたように、埼玉栄も例外ではなかった。3月から6月中旬まで自粛期間となり、福岡出身の内田は注書き時代に所属していた久留米東ボーイズで練習をするなど調整を続けてきた。 ただ本格的な練習も少なく、実戦登板も少ないため、調子も上がっていなかった。そのため7月11日の聖望学園戦を振り返ると、3回まで4失点。130キロ~135キロ程度とボール自体は走っていなかった。部活動を再開してから2週間のため、5割程度でとどめていたようだ。つまり無理して、強度を上げると、怪我をしてしまう恐れがあるため、あえて強度を押さえていたようだ。埼玉大会の投球を振り返ると、内田の調整術は正しいことを証明した。 埼玉独自大会では最速146キロのストレートをマークし、18回を投げて19奪三振、防御率2.50と好投を見せた。 そして練習会では昨年よりも進化した様子が見られた。常時140キロ~145キロ程度だが、真上から振り下ろす球筋の良いストレートは角度があり、他の投手にはない武器があった。 好調時は140キロ後半も計測できるように、さらに出力を高めて、150キロ以上を出すことができれば、空振り率も高めることができる。 ただ気になったのは120キロ前半のスライダーの精度が絶対的なものではなく、抜けたボールも多く、直球に頼る形となっていること。 ストレートやバランスの良い投球フォームは例年のドラフトでは十分、指名に値するものはあるが、変化球の精度など総合力で課題でそこをプロのスカウトがどう判断するかだろう。 素材としては抜群なので、高卒3年目では150キロ前半の速球を投げ込む本格派に成長する可能性を持っている。いずれにしても育てがいのある逸材であることは間違いない。
更新日時:2020.09.24
短評
レポートから抜粋 埼玉栄の先発はプロ注目の146キロ右腕・内田了介。福岡出身の内田は学校に戻ることができたのが6月19日。地元で練習を継続していたものの、6月初旬から練習試合ができていたチームと比べても仕上がりは遅くなって当然。 そのため、どんな結果でも、むきにならず、6割程度の力で投げようというのは試合前から決めていた。そのため、ストレートの球速は130キロ~135キロ程度と本来の勢いではない。また120キロ前後のスライダー、120キロ中盤のカットボール、スプリット、チェンジアップ、110キロ台のカーブを投げ分けて打たせてとる投球を心掛けるが、雨により、リリースポイントが安定せず、思うようなコントロールができない。1回裏、4番杉谷慧の適時打と犠打で2点を失い、2回裏にも、一死から連続四球でピンチを招き、プロ注目の大型遊撃手・蔵田 亮太郎に2点二塁打を浴び、3回まで4失点。雨の中、「なかなか思うようなリリースができない」と久々の実戦登板で思うような投球ができず苦しんだ。残り1か月。時間はないが、急ピッチで仕上げようとすると、プロ野球選手では故障者が多発している。強度を抑えて投げる内田の調整の仕方は長い目を見ると有効的だといえるだろう。
更新日時:2020.09.24
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