赤坂 諒選手 (上野学園)
寸評
実は彼の名前について昨秋から聞いていた。知り合いの記者、観戦仲間からぜひ見てほしいといわれていた投手だった。 140キロを投げる投手とはいっても実際に見ない限り、本物なのかわからないからだ。 そして、最後の夏の初戦で赤坂の投球を見ての感想を述べると、ガチの速球派右腕だった。広島の薮田和樹を彷彿とさせるような外旋気味の腕の振りから繰り出すストレートは思わずうならされるものだった。 特に最速145キロが決まった時のストレートはほれぼれするものだった。 試合ニュースから抜粋 7月12日、東東京大会。上野学園が都立足立西と対戦し、9対3で勝利。3回戦進出。上野学園の最速147キロ右腕・赤坂諒が3失点の完投勝利を挙げた。 ニューヒーローの誕生だ。 秋、春も都大会出場なし。そのため都内でもあまり話題にならなかった速球派右腕がついにこの夏、神宮球場で躍動した。 立ち上がりから圧巻だった。初球、140キロをマーク。先頭打者を高めの138キロのストレートで三振に打ち取ると、2回裏、二死まで5者連続空振り三振。5番下地を打ち取ったストレートはこの日、最速の145キロを計測した。赤坂は「最初が肝心でしたので、全力で投げました。まだ整備していただいたばかりでマウンドの足場も安定していたので、序盤の投球は思い通りの投球ができたと思います」 快調な立ち上がりを振り返った。ストレート以外でも、120キロ台のスライダー、落差が大きいチェンジアップ、カーブを投げ分け、都立足立西打線から三振の山を築く。この日は雨が降り続き、マウンドは不安定。 「投げにくい終盤は本当に大変で、足もつった中でしたがよく投げられたと思います」 終盤でも142キロを計測するなど、自慢のストレートは最後まで生きていた。 軟式・ブラックキラーズ出身。当時は投手・外野手を兼任。まだ無名だったが、威力あるストレートを投げ込む姿は小川貴昭監督の目に留まり、上野学園に進学。その後は体づくりを進めていき、身長186センチ、体重も入学から13キロほど増えて80キロまで増量。入学当時135キロ程度だった速球は、今年の練習試合で最速147キロを計測した。このオフはあえて球数を投げ込んだ。「走るスタミナよりも投げるスタミナをつけたいと思いました」 練習試合通して、終盤までピッチングのクオリティが落ちずに完投できたようになってきた。この日は139球、12奪三振完投勝利。 「こういう雨の中で完投勝利を挙げたのは初めてですし、自信になります」 笑顔を見せた赤坂。次は16日、順天高校と対戦する。今度は晴れた日のマウンドで剛速球を思い切り披露する姿を見せていきたい。
更新日時:2019.07.12
将来の可能性
まだ先の戦いがあるので、課題について述べるのはまた後にしたいと思うが、145キロ前後の速球はドラフトクラスのものはある。ただ変化球の精度、制球力、ボールの出し入れなど、課題は多い。現時点ではボールの威力で勝負する投手である。そのストレートは中堅校クラスまではわかっていても空振りをしてしまうほどの迫力がある。 先のステージに進んでも細かなボールの出し入れで勝負する投手ではないので、高速系の変化球を習得してストレートと見分けがつかない決め球を習得してほしい。しっかりと積み上げていければ、いずれは高いステージで活躍できる速球派右腕となるはずだ。
更新日時:2019.07.12
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