短評
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レポートより抜粋>
プロ注目スラッガーの聖地での待望の一発が、智弁学園に流れをもたらしたといっても過言ではない。そんな前川が一発を打てたのは、課題の克服にあったと考えられる。
昨夏の甲子園交流試合で前川は、当時の世代No.1投手・
高橋宏斗(現中日)と対戦した。150キロ近くを計測する剛腕と対戦した前川の結果は、3打数1安打という内容だった。直球への対応ができていないと感じ、「軸で回転すること」を今後のテーマとして掲げていた。
それを踏まえてホームランを振り返ると、下半身主導で軸を残しながらもバットを走らせていき、強くボールにインパクト出来ているように見える。前川が追い求めてきた理想の打撃が出来たことで、ホームランという最高の結果になって表れた。
前川自身も、1回戦・
倉敷商戦を振り返り、「低めの変化球に対して頭の位置がブレてしまい、引っ掛け気味のバッティングをしてしまいました」と踏みとどまれずに泳いでしまったことを反省していた。その課題をクリアするためにも右足の使い方をポイントにした。
「前足でしっかりと踏み込んで、ブレないように心がけました」
こうして軸を安定させると、あとは「ヘッドを走らせて打ちました」と思い切りの良いスイングで、ボールに対して強くコンタクトして、アーチを描いた。
これには小坂監督も「これまでの甲子園で打球が上がらなかったので、前の打席のセンターオーバーで余裕が生まれたから、仕留められたと思います」と1年生から期待していた主砲の一打を振り返った。
更新日時:2021.09.07