森木 大智選手 (高知)

森木 大智

球歴:高知

都道府県:高知

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:184.0 cm

体重:82.0 kg

ボールスピード:154 km/h

学年:卒業

短評





レポートから抜粋 本来「チームスポーツ」である高校野球において1人の選手だけがピックアップされる傾向は、必ずしも好ましくないもの。ただ、この試合に関しては高知の背番号「1」森木 大智(3年・右投右打・184センチ87キロ・高知中出身)で埋め尽くされたと言っても過言ではないだろう。  県新人戦決勝戦(高知1-0明徳義塾)、秋季県大会決勝戦(高知1-1明徳義塾・延長12回日没引き分け再試合)、同再試合(高知0-6明徳義塾)、春季県大会四国大会順位決定戦(高知1-2明徳義塾・延長13回タイブレーク)に続く、この代で5度目の「名勝負数え歌」に7番・左翼手でスタメン出場した森木は、まずは「練習では何百本もホームランを打っている」(濵口 佳久監督)打撃でその非凡さを誇示した。  4回裏一死一・三塁から6番・田野岡 脩人(3年・遊撃手・右投左打・175センチ66キロ・高知市立潮江中出身)の投前セーフティーバントが先制内野安打となった直後に右打席に入った森木は、1ボール後に明徳義塾先発・矢野 勢也(2年・右投右打・180センチ73キロ・球道ベースボールクラブ<フレッシュ・福岡>出身)が投じた外角スライダーに対し「ストレート待ちだったので少し泳いだけれども身体が反応して」バットの芯にミート。打球は強い追い風にも乗って弾丸ライナーで高校通算10本塁打となる決勝3ランとなった。  森木の独壇場は続く。6回裏には2つ目の四球を選んだ後、2回裏に続く二盗を決めて9番・川田 響生(3年・右翼手・右投右打・168センチ65キロ・高知中出身)の右中間適時三塁打を誘発。8回裏には一死二塁からフルカウントまで粘った上で左前適時打で結果、4打数2安打4打点2得点2盗塁。加えて守備でも7回表一死から明徳義塾1の俊足である8番・井上 航輝(2年・中堅手・右投左打・168センチ63キロ・河南リトルシニア<大阪>出身)の左翼フェンス直撃の当たりを全く無駄なく処理し、鉄砲肩で二塁で刺す離れ業も演じてみせた。  さらに野球の神様は、最後に2021春・四国高校野球界最大のハイライトを用意していた。9回表・明徳義塾が意地の反撃を仕掛け、無死満塁とした場面で「この代で明徳義塾との勝敗をタイにして夏に臨む」ことをミッションとして選手たちとも確認し合っていた指揮官は迷いなく森木を投入した。  「試合中に投球練習はさせていた」(濵口監督)とはいえ、状況的には難しい場面。にもかかわらず森木はエンジンをトップギアに入れ、最初の打者を球場ガン151キロで二ゴロに仕留める(この間に1点)と、主将の1番・米崎 薫暉(3年・遊撃手・右投右打・173センチ71キロ・茨木ナニワボーイズ<大阪>出身)に対しては2球目の122キロスライダーがボールになった以外は4球全てストレート勝負。そして「うまく体重が乗っていい力感で投げられた」5球目。米崎が「コースはボールだったけど飛び付いてしまった」空振り三振を奪ったストレートは球場ガンで「151キロ」。同時に複数球団のNPBスカウトガンでは中学時代「明徳義塾中vs高知中」でライバル物語を演じていた関戸 康介大阪桐蔭3年)に並ぶ世代最速の「154キロ」を示したのである。  かくして最後の打者も148キロストレートで一ゴロに仕留め、高知を5年ぶり11回目の大会制覇に導いた背番号「1」。「全国制覇を目指す上で絶対に倒さなければならない相手」(森木)明徳義塾に対する快勝は、夏の県大会・明徳義塾に続く第2シードが確定している高知に勢いを与えると同時に「森木 大智」の価値を高めるに十分なものであった。
更新日時:2021.05.01

短評

試合レポートから抜粋  そして高知は7回表から登板した森木 大智(3年・右投右打・184センチ88キロ・高知中出身)もエンジン全開。7回表は150~148キロのストレートを全球投げて三者凡退に仕留めると、8回表二死から高知中央の1番・山下 真輝(2年・一塁手・右投右打・170センチ67キロ・南国ヤングマリナーズ出身)を右邪飛に打ち取ったボールは「自分の中では狙ったところに行かなかった」と本人は振り返るも、NPBスカウトのスピードガンで自己最速となる「152キロ」を掲示。3球団5名が詰め掛けたスカウト陣からも「力感がないのにあんなボールを投げるとは」と驚きの声が漏れた。
更新日時:2021.05.01

短評

レポートから抜粋 そして5回裏からマウンドに上がったのは森木 大智(3年・右投右打・184センチ88キロ・高知中出身)。準々決勝・高知南戦で1イニングを投げ、自己最速タイ151キロを出しての無失点で左足首負傷からの試運転を終えた豪腕は、この試合でも3回を投げ打者10人に対しわずか34球で4奪三振無四球無失点。加えて「流れにのっていけた」と試合後に本人も語ったように、その内容も圧巻だった。  実に10球団13人が詰め掛けたNPBスカウト陣のスピードガンで最速149キロ・アベレージで145キロ以上をほぼ下回らなかったストレート。140キロ台前半のスプリット、130キロ台後半のストレートに加え「変化球の軸として考えている」カーブも110キロ台後半のカーブも昨秋より明らかに精度が上がったもの。これには「左脚を優しくマウンドに付くことで身体も突っ込まくなったし、丁寧に投げていた」と濵口 佳久監督も高い評価を与えた。  こうして完全復活を強く印象付けた森木。ただしその半面で気になるのは準々決勝に続き喫した「1安打」の内容である。ストレートを狙い打たれた高知南戦に続き、土佐戦で喫した1安打も明らかに真ん中に入った148キロを狙い打たれたもの。この現象に対し、あるNPB球団スカウトは「まずは元気で投げられていることが一番」を前提としつつ、このような感想を漏らした。  「真ん中に入るのは一番よくない。ここから先は両サイドを狙って投げられるようにしてほしいし、その積み上げが次につながる。頑張ってほしいね」  誰もが素晴らしい投手と認めるからこその「高い次元のハードル」。最後の夏にチームとして希求する「全国制覇」とその先のステージで躍動するためにも。森木 大智には細部に渡るさらなる向上心をあえて求めたい。
更新日時:2021.05.01

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