高下 耀介選手 (國學院久我山)
短評
観戦レポートより抜粋(2019年8月8日) 28年ぶり3回目出場の国学院久我山の原動力となったエース・高下耀介。188センチ85キロというサイズを見ると、本格派の投球を期待したくなるが、その投球はまさに技巧派そのもの。 体を沈み込んで投げていき、左腕のグラブを高く掲げながらためを作り、一気に長い腕を繰り出すスリークォーター。130キロ~130キロ中盤の速球を両サイドに投げ分け、120キロ前後のスライダーを低めに集め、打たせて取る投球を見せる。まだ甘い球は多いが、要所で低めに投げ、打たせて取る粘っこい投球が光る。 立ち上がり、前橋育英打線につかまったが、「相手打線は非常に良くて、踏み込んで打ってくる打線だったのですが、自分は尻上がりに調子を上げていけたので、後半は抑えることができたと思います」と分析する。また春からの成長点として切り替えの上手さを挙げた高下。そのきっかけは準々決勝の関東一戦にある。先発した高下は9回まで3失点に抑える好投を見せていたが、延長10回表に勝ち越し本塁打を浴び、さらに切り替えができずに、2ランホームランを浴びてしまった。ここで切り替えができずに試合を落としたことを悔やんだ高下は切り替えの重要性を学んだ。ここから考え方も変わっていった。たとえ失点したとしても気持ちに出さず、切り替えた。リードする宮崎 恭輔も「考え方が良くなって、考えて投げることができるので、リードしていても意思疎通ができる」とバッテリーの呼吸もよくなっていた。 また尾崎監督はこんなエピソードを明かしてくれた。「西東京大会ではエラーして、3点ビハインドになってひっくり返した試合があったんですけど、それもあって高下が野手に1つエラーしていいぞといっているんですよね。本当にエラーで1点失ったんですけど(笑)」 その失点も想定できるほど余裕があったのだ。 ピッチング以上に活躍を見せたのは打撃。2打席無安打だったが、第3打席では内角直球を振りぬき、右前適時打。第4打席はスライダーをとらえ勝ち越しの中前適時打。さらに第5打席は一塁への内野安打を放ち、7点目。5打数3安打3打点の活躍で、[stadium]甲子園[/stadium]常連の前橋育英を追い詰める戦いを見せている。 下級生から登板している投手だが、この1年間で粘り強さや打者としても勝負強さが出て強い選手となった。
更新日時:2019.08.08
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