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寸評
ニュースから抜粋
昨秋ベスト4の東亜学園が初戦で敗れた。140キロ左腕・細野 晴希は4回表、無死一塁から登板した。
大会前の練習試合ではリリーフとしての登板も多く、初回からキャッチボールを繰り返し、登板に合わせていた。走者を出したところからの登板でも、
「準備はしっかりとできていました」
いきなり得意の牽制技術で走者を刺す。4回表を無失点で抑えるも、5回表、適時打を許してしまう。あの場面について、
「打たれたのはスプリット。あの場面は勝負を焦りすぎてしまい、甘く入ってしまいました」と悔やんだ。それでも尻上がりに調子を上げて、6回表には自己最速の140キロを2球計測。130キロ台のスプリット、カットボール、110キロ台のスライダー、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球を投げ、6回8奪三振。140キロは8球計測。特に素晴らしかったのは8回、9回のピッチング。「調子があがって自分の思い通りに近いストレートを投げられた」とこの2イニングだけで5奪三振。秋よりも進化した姿を見せた。
この1年間は濃密な経験を味わった。12月には東京代表としてキューバ遠征を経験。そこで学んだことは大きかった。 「攻めの幅が広がったといいますか、スプリットの使い方を昔よりも広げることができました」 手ごたえを感じながら、冬の練習に取り組んだ。春の大会では不調に終わり、細野はフォームを見直した。 「今まで上体の力を抜くことを意識していたんですけど、それだけでは打者からあまりボールが来ていないと指摘を受けたので、右足を大きく上げることを意識しました」
大会まで右足を高く上げるフォームに修正し、本番に間に合わせた。これまでの自己最速は139キロだったが、この夏で140キロを計測。敗れたとはいえ、成長した姿をしっかりと見せてくれた。
改めて夏を終えて、「夏を勝つ難しさを実感した大会でした。チームとしても大会前まで思うような野球ができない行き詰った感覚があったんですが、本当に難しい大会だったと思います」と淡々と試合を振り返った。
高校卒業後は大学進学をしてプロを目指す。
「まだ自分の実力ではプロにいけないことがわかりましたので、まずは4年間、しっかりと成長して、結果を残してプロを狙える投手になりたいと思います」
悔しい初戦敗退でもしっかりと前を見据えた細野。しなやかな投球フォームから繰り出す回転数の高いストレート、多彩な球種を投げ分ける指先感覚の良さ、巧みな牽制技術と魅力的な要素が詰まった投手である。大学4年経て、ドラフト上位を狙える本格派左腕へ成長を遂げるか。
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