小野 智大選手 (利府)

寸評

　下級生の時から4番を務め、最終学年でも不動の4番として君臨。懐までボールを呼び込んで打つ打者ですが、普段は合わせるのが上手いタイプとの印象。しかしツボにはまれば、スタンドに叩き込めるパンチ力を秘めています。 （第一印象） 　基本的に、昨年と大きくは変わっていないように思いました。夏の大会の模様を二試合見ましたが、ヒットは打っていたのですがタイミングが微妙に狂っていたように思います。それでも結果を残すあたりは、さすがのところでもあるのですが。 （守備・走塁面） 　昨年までは左翼手で、フライが飛んできても他のポジションの選手が優先して捕ってフォローしていました。しかし最終学年では、三塁手。打球への一歩目も良く、思ったよりも守備範囲も広く悪くありません。少し動きが危なっかしくは見えましたが、地肩も基準以上であり、守備での貢献度は格段に昨年よりも上がっていたように思います。 　一塁までの塁間は、左打者でありながら4.55秒以上かかっており、足は早くありません。ただ昨年のプレーを見る限り、外野手の返球がもたつくと見るや次の塁をおとしいれるなど、相手の隙を突く走塁は期待できます。 （打撃内容） 　強打者なのですが、変化球も速球にも合わせられるミートセンスがあります。この点は、始動が早く、いろいろな球に対応しやすい打ち方だからでしょう。引っ張れば長打も打てますが、三遊間方向に強く流すことを得意とします。 ＜長所＞ 　早めに始動し、速球でも変化球でも幅広く対応。ベース側にインステップして踏み込んで来るので、外の球を意識した踏み込み。特に踏み込んだ足元がブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも開きを我慢して対応できます。特に試合では、低めの球への対応が光りました。 　バットの振り出しにも癖がなく、外の球でもヘッドが下がらずに、綺麗に身体を残して捌けます。強打者ですが、スイング軌道に癖がないところは良いですね。 ＜課題＞ 　特に技術的には大きな欠点はないように思いますが、昨年などは縦の変化の見極めに課題がありました。今年は低めの球にも対応していたように、昨年ほど気にはなりませんでしたが。　

将来の可能性

　宮城大会の準々決勝・準決勝の模様を見たのですが、ややミートポイントがズレていて、調子自体は良くなかったように思います。それでも結果的にヒットを打つなど、実戦での勝負強さを観じます。ただ守備・走塁でのアピール度が低く、大学では打撃で圧倒できないと出場機会が狭まる可能性は否定できません。甘い球を逃さない隙無しの鋭さを、ぜひ今後は身につけて欲しいと思います。今後の更なる活躍を、期待せずにはいられません。