由良 一翔選手 (小金)
短評
試合レポートから抜粋 千葉県松戸市にある小金高校にこの秋、注目の好投手が現れた。それがエースの由良一翔である。この夏、マリンスタジアムで最速139キロを計測した速球派右腕だ。178センチ75キロと手足が長い投手体型。坊主ではない、短髪姿も目に付く投手である。 やはり130キロ後半の速球を投げる投手なだけあって、キャッチボールの球筋から惹かれるものがある。夏の大会を振り返って由良は 「スピード自体は出ていたかもしれません。でも結構当てられてしまっていました。この大会へ向けて課題にしていたのは、空振りが奪えるキレのあるストレートです」と課題を明確に答えてくれた。夏休み期間は下半身の体重移動を見直し、股関節を鍛えた。椅子の上に軸足(右足)を乗せた状態からそのまま真上から振り下ろすトレーニング。いわゆる股関節をうまく使いながら、上半身も鋭く回旋させる動きを繰り返し、フォーム改善に努めた。 そして秋初戦の先発マウンドに立った由良。右オーバーから投げ込む直球は常時128キロ~136キロを計測。軸足が強く蹴り上げられないのが気になるが、胸郭を使って、上からしっかり叩くことを意識したフォームだ。 角度のあるストレートを両サイドへ投げ込み、左打者になっても胸元に果敢に投げ込む度胸と制球力の良さがある。また、ストレート以上に素晴らしいのが、縦に鋭く落ちるスライダーだ。120キロ~125キロ前後の速度で鋭く落ちていく。走者を背負っても冷静に投げることができている投手で、想像以上に実戦力が高い投手であった。 しかし3回表、由良は二死から1番今村、2番設樂、3番山下の3連打を浴びて1点を失い、4回表には、一死三塁のピンチ。ここからが由良の真骨頂。由良は135キロ前後のストレートと120キロ中盤の縦スライダーを駆使して、二者連続三振で切り抜けた。 「あの場面は自信にしていた縦スライダーを投げることができて落ち着いて投げることができました」と振り返った冷静なマウンド捌きを見せたエースの力投に応えるように打線は4回裏に奮起。 二死一、三塁から1番安田の中前適時打、2番脇田の中前適時打で4対1と点差を広げた。 8回1失点の好投を見せた由良は「前半はうまく粘ることはできたと思うのですが、後半は制球力を乱してしまい、反省点が残る試合でした」と反省していたが、船木監督は「由良は冷静に投げることができていて、相手チームがストレートをしっかりと当てていたので、変化球中心に切り替えて打ち取ることができたのは良かったですし、また3併殺に打ち取ることができたのもよかったです」 エースの投球とバックの守備を評価していた。
更新日時:2018.08.24
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