西村 雅暉選手 (熊本国府)
寸評
夏の熊本大会では、すでに140キロ台中盤のボールを投げ込み、来年のドラフト候補への期待も高まる豪腕。 (第一印象) ズシリと重いボールを投げ込み、バットを押し戻すような球威は、中々高校生では投げられない代物。ボールそのものに、非常に存在感を感じさせる。 (投球内容) 少々投げる時に力が入り過ぎかなと思える部分もあるのだが、常時140キロ前後~中盤の速球を夏の熊本大会でも投げていました。変化球はスライダーに、チェンジアップだかフォークのような沈む球があります。まだまだ制球にバラつきはあるのですが、真ん中近辺の甘いゾーンに入って来ないのは救い。クィックも基準である1.2秒を割ってきますし、牽制にも鋭さを感じます。あとは、ベースカバーなど基本的な動作にまで、意識が行くようになると良いのですが。 <長所> グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定。足の甲で地面を捉えることが出来ており、それほどボールは上吊りません。リリースポイントが安定してきて体も出来てくれば、もっとコントロールは安定してきそう。 腕を強く振ることができ、速球と変化球の見極めは困難。ボールにもしっかり体重が乗せられており、打者の手元まで球威と勢いのある球が投げられます。 <課題> 「着地」までの粘りに欠け、早く地面を捉えてしまいます。そのため投げ終わったあとに、一塁側へ大きく流れます。足の逃がし方を遅らせるだけでなく、ステップの位置などにも改良の余地がありそう。そのため下半身の強化だけでなく、股関節の柔軟性も意識したいところ。 「着地」が早いと、自然と体の「開き」も早くなりボールが見やすくなってしまいます。ボールが早く見えるということは、打者からいち早くコースが読まれてしまうので、コースに散らせても合わせられたり振り切られてしまうわけです。ここを改善して行かないと、いくら速い球を投げられても、その恩恵を受けにくいわけです。
更新日時:2014.12.25
将来の可能性
荒削りな素材には見えますが、強い球を投げられるメカニズムとコントロールを司る土台が良いのが救い。あとは「着地」の粘りと「開き」を遅らせる、相手に嫌がられるフォームを追求すべきでしょう。今までは、どうしても自分の投球でいっぱいいっぱいであり、打者がどうしたら打ち難いかまで考える余裕がなかったのではないのでしょうか。その部分まで踏み込んで取り組めれば、高校からプロに行くような投手に育つかもしれません。より深く・鋭く、野球に取り組んでみてはいかがでしょうか。
更新日時:2014.12.25
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