木元 翔一選手 (汎愛)
寸評
大阪府内で健闘を見せている汎愛のエース。速球は130キロ台と平凡なものの、縦に大きく割れるカーブと気合が入ったマウンド捌きで抑える投手だ。 右オーバーから投じる速球は常時120キロ後半~133キロと平凡。ただ縦振りで腕を振るので、角度があり、雄叫びを上げて投じるので、球速以上に速いと錯覚する。 曲がりの大きいカーブ、スライダーを交えながら、ここぞという時にストレートを外角一杯に投げて、見逃し三振に取る投球スタイル。打者に物怖じせず投げられる度胸は素晴らしいが、気合が空回りして、一本調子になる投球になるのが見られる。もう少し周りを見て気持ちを落ち着かせて、打者と向き合って投げられるようになるとピンチに粘り強い投手になっていくのではないだろうか。 (投球フォーム) 投球フォームは純粋な右のオーバーハンド。古来の沈み込みが深い投球フォームだ。 左足を勢いよく上げていき、右足の膝を深く折り曲げてバランスを取る。重心を下げる時に二塁方向へ足を送り込んでいき、お尻から先行するヒップファーストだ。腰の動きは縦回転なので、縦系の変化球を投げるのに適した投球フォームだ。左腕のグラブを真っすぐ伸ばし、正対させる。ややグローブ腕の開きが早く、出所が早く見えてしまっている。踏み込んだ足は開かず、体重移動出来ており、下半身の使い方はしっかりしている。 テークバックは内回りのスイングで、テークバックを大きく取って、トップを作る。そして右腕を勢い良く振り下ろす。体全体を使った投球フォームで、投げ終わった後に帽子が吹き飛ぶ。 これによりキャパをフルに使い、勢い直球を投じ、キレのある変化球を投じることが出来ているが、始動からフィニッシュまで力が入りすぎていて、全身が疲労しやすく、故障にもつながりかねないので、もう少し脱力することも大切ではないだろうか。
更新日時:2012.06.10
将来の可能性
打者に物怖じせず投げ込む度胸の良さは彼の長所ともいえるが、もう少し間合いを取って相手を打ち取るにはどうすればいいかを考えながらピッチングを組み立てられると粘り強く投げられるのではないだろうか。春から夏で球速などのスキルが大きく伸びることはないので、あとはピンチにも動じないメンタルなど内面の力を伸ばすことが厳しい夏を勝ち抜くカギになっていくだろう。夏まで一段とレベルアップし、強豪私立を脅かす投手に成長を果たすことが出来るか期待したい。
更新日時:2012.06.10
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