石井 大和選手 (拓大紅陵)
寸評
今年の千葉県では最も肩が強い捕手と上げろといわれれば拓大紅陵の石井 大和を押す。常時で、塁間2秒00前後のスローイングをコンスタントに投げられるスローイング能力は県内随一だ。複数投手陣をリードし、投手の持ち味を発揮し、そして打っては3番として打線を牽引する石井を取り上げたい。 (打撃) 我孫子東戦では2安打の活躍。痛烈なセンター前ヒット、ライト線二塁打と3番打者としてしっかりと仕事を果たした。 スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして構えている。余計な力みがない構えが出来ているのは好感。ゆったりと構えることが出来ており、他の選手に比べて高い集中力を感じさせる。投手の足が着地したところから始動を仕掛ける。仕掛けのタイミングは遅く、ギリギリのポイントで打ち返していく選手。 トップの動きを見ていくと捕手側方向へ引いていくが、トップはやや浅い。スイングの軌道を見ていくと最短距離で振り抜いていくインサイドアウトではなく、ややヘッドが遠回りしたスイングで、ボールを運んで行くスタイル。そのためしっかりと振り抜いた打球は思った以上に飛ばすことが出来るタイプだ。 仕掛けが遅く、ヘッドが遠回りするタイプなので、一定以上の速球、変化球を投げる投手相手には仕掛けを早めて、対応していきたい。 (守備・走塁) 彼の持ち味はなんといっても強肩。彼を初めて見たのは一年秋。その時から地肩の強さが光っていたが、安定感はなかった。その時と比べるとだいぶスローイングが良くなり、ベース近くへコントロール出来るようになってきた。タイムも安定して2.00秒前後を計測出来ており、簡単に走ることはできないスローイングが出来るようになってきた。 気になるのはややテークバックが大きいので、その分ロスがあること。これでも一年秋に比べればコンパクトなスローイングになってきたが、上のレベルを考えたら、もう少しコンパクトなスローイングを心掛けていきたい。 リードについては打者を見て、投手のタイプを見て、状況に応じたリードは出来ており、安定感はある。同格相手には隙を与えさせないリードが出来ているので、あとはハイレベルな相手にどこまで投手の持ち味を引き出していくか。
更新日時:2012.04.30
将来の可能性
守備面については県内で随一のレベルに達してきた。拓大紅陵の安定した戦いが出来ているのも、彼の力があってこそ。とにかく高いレベルを体感し、どんな場面でも動じずに投手の持ち味を引き出し、ここぞ問う時に走者を刺せる確実なスローイング、そして絶対に後ろへ逸らさない捕球技術を習得してほしい。 終盤まで一点を争う千葉県の戦いは波が少ない安定感のある野球が不可欠で、捕手としては必要以上の失点は阻止し、打者としてはここぞという時に打てる勝負強さが欲しい。県内を代表する捕手として存在感を示すことが出来るか注目だ。
更新日時:2012.04.30
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