小田嶋 冶真人選手 (都立片倉)

小田嶋 冶真人

球歴:都立片倉

都道府県:東京

ポジション:一塁手, 投手

投打:左 / 左

身長:184.0 cm

体重:69.0 kg

学年:卒業

寸評

 金井 貴之が背番号1を着けるまでエースであった小田嶋。出所の見難い左横手のフォームで勝負。帝京打線でさえ彼を打ち崩すのに苦しみ、3.1回を投げて無失点の好投を見せた。彼のような技巧派左腕はあまり注目されない傾向にあるが、手足が長く、身体の線が細いことを踏まえると肉体的な成長の余地があり、更に出所の見難いフォームで勝負出来るほかの左腕にはない武器を備えていること。以上の2点から、上のレベルで活躍できる可能性を持った左腕だと見込んでいる。 (投球内容)  ストレートは120キロ前後。特に目を見張るようなストレートを投げるわけではないが、ベースぎりぎりに投げ込んでいく。右打者、左打者問わず内外角ギリギリに厳しいコースへ投げることが出来ており、簡単に打ち崩すのは難しい。  変化球はスライダー、スクリュー。特に良いのがスクリュー。左打者の膝元へ落ちるスクリューのキレは抜群。帝京の左打者も捉えることが出来ておらず、スクリューが帝京打線相手に通用したのはもっと自信を持っていいのではないだろうか。  塁上にランナーが出ていても粘り強く投げることが出来ていて、実戦派左腕として強みを発揮している。 (投球フォーム)  セットポジションから始動する。右足を頭の近くまで大きく引き上げていき、左足は適度に膝を曲げてバランスを取ることが出来ている。その後、身体を沈み込ませていき、前膝を送り込んで柔軟に着地する。始動から着地まで躍動感がある入りだ。前膝を送り込んでステップすることが出来ており、粘りがある。  右腕のグラブを斜めに伸ばしていき開きを抑えていき、グラブを抱え込む。グラブはしっかりと抱え込むことが出来ており、身体の余計な開きもなく、真っ直ぐ向けることが出来ているので、制球も安定しやすい。テークバックは左肘を折り畳むように取っていき、リリースに入る。身体に近い軌道で腕を振り抜くことが出来ており、肘が下がらずに腕を振り抜くことが出来ている。ただ最後のフィニッシュでは前へ体重が乗らず、フィニッシュが弱弱しい。最後までフォームのバランスは悪くないので、フィニッシュで躍動感があるフィニッシュが出来るようになっていくと、もっとストレートが生きていくのではないだろうか。
更新日時:2012.04.27

将来の可能性

 実戦的な投球を心がけることが出来ており、技術的な面も大きな欠点は見当たらないので、後は体力面のビルドアップであろう。高校生はまだ完成されていないから、荒削りでも才能がきらりと光っていく投手がピックアップされるが、大学・社会人では自分は何が武器かを見出していく投手が生き残っていく。彼も生き残っていく強い意志があれば、密かに注目される投手になっているかもしれない。  強豪大学で小田嶋のように長身技巧派左腕は身体が出来て、ストレートのスピードを伸ばして、スケールアップしている投手が多いが、小田嶋はその投手たちに負けない素質を持っていると思うので、もっと上を目指してもらいたい。数年後、その金井の控え投手だった男が大学を経て急成長していると思わせるようなピッチングを披露してくれることを期待したい。
更新日時:2012.04.27

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