川瀬 堅斗選手 (大分商)
寸評
今年のセンバツで騒がれる可能性を持った好投手・川瀬堅斗(大分商)だ。183センチ83キロの大型投手で、投球フォームは最近のプロ野球で活躍する投手に見られる縦回転の投球フォームで投げられるのが特徴だ。九州大会準優勝を果たした好投手の川瀬について迫っていきたい。 (投球内容) まず昨秋の成績から振り返ると、7試合、59回を投げ、防御率2.29と安定した数字を残している。 右オーバーから投げ込む直球は常時135キロ~142キロと飛び抜けた球速ではない。それでもプロのスカウトから注目されているのは角度の良い速球で空振りを奪える球質の良さだろう。 ストレートの球速については残り1年間。高校卒業後からでも5キロ~10キロ以上は速くなる見込みはある。 川瀬の投球で鍵を握るのは、縦に大きく落ちるカーブである。膝下に鋭く落ちるカーブで次々と三振を量産。その投球は高校の先輩・森下暢仁を彷彿とさせる。 カーブを意識したところに、高めのストレートで空振りを奪う。高低を使った投球が非常にうまい。カーブ以外にもスライダーを使ってカウントを稼ぐなど、メリハリが利いた投球ができる。 (投球フォーム) 走者がいなくてもセットポジションから始動する。左足を高々と上げていきながら右足の膝を曲げるように立ち、バランスを取る。その後、二塁方向へ送り込んでいきながら重心を下げていき、着地を行う。テークバックをとったとき、角度をつけるために、右肘を折りたたむようにしてトップを作る。このメカニズムは球速が速くなることで負担が増し、さらにコンディションが悪かったり、柔軟性を失うと、故障がしやすい。しっかりとアフターケアはしてほしい。 トップを取ったとき、しっかりと胸を張ることができており、振り下ろすようにリリースを行う。このフォームだからこそ、角度のある直球とカーブを投げることはできており、川瀬の個性となっている。だからこそ故障には気をつけてほしい。
更新日時:2020.03.26
将来の可能性
183センチ82キロとスケール感を感じさせる体型で、ピッチングも奥行きがあり、さらに進化を予感させる投球スタイルはスカウトからすれば魅力的だろう。 ドラフト候補として注目すべきものがあり、高校時代の森下と比較しても負けていない投手だといえる。 センバツはなくなったが、これからの公式戦でアピールできる機会は続く。ぜひそこでひと冬越えた姿を見せていきたい。
更新日時:2020.03.26