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卒業生
田中 太一

田中 太一(大分工)

都道府県:
高校:
学年:
2011 年卒
ポジション:
投手
投打:
右/右
身長:
179 cm
体重:
76 kg
データ最終更新日:2010年11月5日

寸評

今大会屈指の本格派右腕。マックス148キロのストレートに切れ味抜群のスライダー、カーブ、「太一カーブ」を操り、三振の山を築く。甲子園では肘の痛みもあって本来の投球を見せることができなかったものの、潜在能力は今年の高校生でもトップクラス。間違いなく高卒からプロにいくべき投手だろう。

(投球スタイル)
ストレート マックス146キロ
常時135キロ~140キロ中盤
スライダー 125キロ前後
縦のスライダー(太一カーブ) 120キロ後半
ストレートはコンスタントに140キロ台を計測しており、手元で伸びるストレートは素晴らしい。打者に結構当てられていたが、これは球質が悪いのではなく、出所の見易さが起因しているのではないかと思う。太一カーブと呼ばれる縦のスライダーは切れがあり、落差はかなりのものがあり、膝元に決まれば空振りを奪えるキレはある。選手権では肘が下がり気味で自慢の太一カーブがうまく決まらなかった。この太一カーブ、確かに抜群のキレ・落差があり、これをマスターすればプロでも通用するボールだ。彼の場合、肘をしならせて振るため肘にかかる負担は大きいと想像できる。選手権で彼が縦のスライダーをあまり投げなかったのは肘の状態が万全ではなく、無理に投げることで投球全体に影響を及ぼすので封印しなければならなかったのではないだろうか。
(クイックタイム)
クイックは1.3秒台~1.5秒台と遅いが、その代わり牽制が上手い投手で、大分大会決勝戦では鋭い牽制を見せた。ただフィールディングが甘く、投球以外の部分の技術に課題を残す。
(打者の攻め)
・右打者
右打者には外角中心にストレート、スライダーを投げ分ける配球をするが、肝心のスライダーが決まらず、ストレート中心しか組み立てができない。いくら140キロを超えようと、ストレート中心の組み立てなら打者は狙い球が絞りやすい。だから痛打される。
・左打者
速球には両サイドに投げ分ける制球力はあり、ストレート、スライダーで追い込んでいき、最後は縦のスライダーで空振り三振を狙う配球だ。大分大会決勝では縦のスライダーが決まっており、三振を奪うことができていた。しかし選手権ではストレート、スライダーのコンビネーションと幅が狭くなり、苦しい投球が強いられた。


(投球フォーム)
ワインドアップから入り、ゆったりと左足を大きく上げていく。その後、ショート方向に伸ばして降ろしていき、腰を沈めることにより、軸足(右足)に重心をかけているように見える。テークバックは大きくとっていき、リリースしていく。この投手は元々横振りのフォームだったようだが、昨秋から冬にかけてリリースポイントを上方に持っていく工夫をしたという。ストレートは良い角度で放ることができているが、スライダーは肘が下がる癖があり、見分けやすい。選手権では肘を痛めていたので肘が下がり、フォームの違いがはっきりと出ていた。

フォーム全体を見ていくと打者の近くで離すことができているし、球持ちは良いし、フィニッシュも力強く腕を振り切ることができており、体のブレもしっかり抑えることができている。この投手の良さはフォーム全体のバランスの良さ。下半身の使い方が上手いし、何より投手として大事なしなやかさ・球持ちの良さ・腕の振りの力強さがある。ただ課題としては同じ型で投げられないこと。プロで活躍する投手は年間通してほぼ同じ型で投げられる安定さがあり、崩れてもすぐに修正できる能力がある。まだそのレベルに達していないというより、それができるほどの体の強さがまだないので、プロではじっくりと土台固めから始まることになりそうだ。

将来の可能性

投手としての素材は今年の高校生でもピカイチ。選手権では肘は痛めており、実力の半分も示すこともできなかったと思うが、素質の片鱗を見せ付けたと思っている。まだ型が安定しない投球フォーム・投球以外の技術の未熟さ・体の線の細さと課題は多いが、高卒プロから入るべき投手であることは間違いない。まずはプロで1年間戦える体づくりを行っていく事から始まっていくと思うが、土台がしっかりと固まり、フォームにも安定性が出てくれば、ようやくプロで戦えるレベルに達することができるだろう。
持っているモノは素晴らしいが、彼を指名した球団は慎重を期して育ててあげてほしい。

情報提供・文:2010.09.17  河嶋 宗一
  • 2010 年 9 月

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