選手名鑑

寸評
右田 稜真。二松学舎大附の主将としてチームをひっぱる右田は夏、秋と公式戦で活躍を見せてきた。木製バットを使ったキューバ遠征。今後、右田が直面する苦労を見ているようであった。
(打撃)
打撃練習だけでいえば右田の打球は日本代表クラスだ。今回プレーしたキューバの3球場の両翼は100メートルほど、中堅は122メートルと都内の球場にはない広さだ。その球場で右田はほとんどの確率でスタンドインさせる。詰まった当たりでもスタンドインさせる脅威のパワー。これまで国際大会の取材を重ねる中、数多くの日本代表の打撃練習を見ているが、最近の例でいえば、中村 奨成(広陵)に負けていない。さく越えする本数に関しては、中村より上回っていたかもしれない。打撃練習の比較対象が中村になるぐらい右田の打撃練習は凄いのだ。
ただ実戦で結果を残せなければ意味がないでしょと言われればその通り。右田は代表戦では苦しんだ。詰まったような打球がとび、ジャストミートして奥深くまで飛ばした打球はなかった。右田はタイミングの取り方に苦しみ、首脳陣からタイミングの取り方を学びながら打席に入っているが、簡単には上達しない。右田は足を上げていくのと同時にヒッチさせて、スイングをしていくが、実戦になるとタイミングが合わない。スピードがある投手だと、バットが出てこず、腰もうまく回らないのだ。そうなるとどん詰まりの打球が多くなる。
素材は凄いが、木製バットを使う環境でやると、非常に時間がかかる素材だと感じた。
(守備)
東京代表ではずっとセンターで試合出場したように守備スキルは高く、守備範囲は広く、センターからの強肩もダイレクトが多い。キューバ代表の外野手と比べてもずっとうまかった。右田を我慢強く見てみようと思うきっかけはこの守備力の高さにある。
将来の可能性
打撃のポテンシャル、守備のスキルは十分にドラフト候補に入る選手だといえる。ただ打撃は時間がかかる素材。実戦で難なくタイミングを取って結果を残す選手は個人差があり、プロで活躍する打者はすぐに順応して強い打球を打ち続けられる選手。とはいえ、右田のようにタイミングの取り方に苦労したが、長い時間をかけて、ほかの選手にはない爆発力を見せる大田泰示、新井貴浩のような選手もいるわけで、大事なのは上達のために努力を続けられる姿勢だと思う。
こういう選手は場数を踏むために大学、社会人に行ったほうが良い、ポテンシャルを開花させるためにプロに行ったほうが良いという意見で分かれるが、後者の意見にさせるには今年のパフォーマンスにかかっているといえる。せめて東京代表でともにプレーした好投手たちには軽々打ち崩せるような対応力は身に付けてほしい。
- 2019 年 1 月
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