五味 拓真選手 (鳥羽)
寸評
エースを務める投手としての才能よりも、将来的には野手としての可能性を感じさせる 五味拓真。今回は、その野手としてのレポートをお送りしよう。 (第一印象) ちょっと技術を気にしすぎて、打撃がぎこちない形になってしまっているかなぁと感じます。もう少し自分の感性に赴くまま、4番打者として伸び伸びスイングしても好いのではないのでしょうか。 (守備・走塁面) 残念ながら投手だったので、守備力に関してはよくわかりません。ただ牽制動作も鋭いですし、フィールディングの動きも悪くありません。投手としても120キロ台後半ぐらいは連発できるので、地肩もけして弱くはないでしょう。将来的には、三塁もしくは外野あたりが好いのではないかと感じます。 一塁までの塁間は、4.55秒前後。これを左打者に換算すると4.3秒前後になります。高校生としては平均的ですが、上のレベルを意識すると少し物足りません。ただ新チーム結成以来の77打席で、8盗塁を記録。これをプロの規定打席である446打席で換算すると、1シーズン46個ペースで走ることになります。高校生としては、中の上レベルの数字ではありますが、けして動けない選手ではありません。売りにできるのかは別にして、守備・走力もそれなりのレベルになることが期待できます。 (打撃内容) 軽くクローズ気味に、グリップを高めに添えて構えます。始動が遅く、ボールをよ~く引きつけて叩くタイプです。それだけ破壊力のあるスイングであり、元来は長距離打者が多くが採用します。ただ新チーム結成以来の36試合で、本塁打は僅かに1個。そう考えると、それほどボールを遠くに運ぶタイプではないように思えます。 <長所> 構えた時に、両目でしっかり前を見据えられている点と打席でもリラックスできているところは評価できます。ボールを的確に追えますし、自分の能力を発揮しやすい状態でボールを待てています。 バットの振り出しは悪くないですし、バットの先端であるヘッドも下がらないようにスイングしています。逆にこれを無理にしようとしているので、ロスは少ないのですが少しいびつに見えます。強打者なので、あまり型にこだわる必要はないのでは?バットも最後まで振り切れていますが、フォロースルーでグリップが高い位置まで引き上がらないので、打球は強烈でも上に上がらないのだと思います。 <課題> 踏み込んだ足元が、インパクトの際にはブレません。ただ足元が早くから地面から離れるので、引っ張るが打撃中心だと考えられます。もう少し右方向への打球も意識できると、打撃の幅は広がりそう。
更新日時:2012.05.01
将来の可能性
持っている打撃の資質には、中々好いものがあります。ただあまりに型にハマり過ぎて、スイング軌道が窮屈に見えてしまいます。ただでさえ始動が遅く、打てるボールが限られている上に、引っ張り専門、型にハマッたスイング軌道では、打てるポイントが極めて狭いことになってしまいます。そのへんは柔軟に、もう少し幅を広げたいですね。現状は、ある一点のツボには強さを発揮しますが、それ以外だと充分対処できないはずです。そのへんが、聖光学院戦でも結果が出なかった原因ではないかと考えます。特にクローズスタンスでインステップして踏み込む打者だけに、センターから右方向への意識をしっかり持つことが求められます。夏までに、いかに打撃の幅をもたせられるのか、今後も注目して行きたいとおもいます。
更新日時:2012.05.01
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