笠松 悠哉選手 (大阪桐蔭)

笠松 悠哉

球歴:大阪桐蔭

都道府県:大阪

ポジション:三塁手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

 甲子園だと、俄然力を発揮するのが、笠松悠哉 。全国屈指の選手層を誇るとはいえ、大阪桐蔭でもけして中軸に座っているわけではない。しかし大舞台だと派手な活躍を魅せる、そんなお祭り男なのだ。そう彼は、まだ2年生ながら春・夏の2回の甲子園で、すでに3本のホームランを放っている。   (第一印象)   夏の大阪予選では、8試合 0本 4打点 打率.250厘と低迷し、チームでも下位打線を打っていた。しかしアドレナリンが放出されるのか? 甲子園では水を得た魚の如く、生き生きしたプレーを魅せる。   (守備・走塁面)    あまりゴロを転がしてのアウトがないので、中々タイムが計測できない。大阪予選の8試合でも、盗塁は0個。けして動かけない選手には見えないが、足でアピールするプレースタイルではない。    もっと気になるのは、三塁守備。実に動きが危なっかしく、キャッチングがぎこちない。肩などは基準以上なので、スローイングは悪くない。実際大阪予選の8試合でも、3個の失策をしている。     守備・走塁に関しては、身体能力こそあれ、技術的にはまだまだだ。この辺が、一冬越えてどのぐらい変わって来るのか。これによって、プロ側の評価も大きく変わって来よう。   (打撃内容)    見た感じは、どの方向にも打ち返す広角打者との印象を受けます。   <構え>    ベース側につま先立ちしてボールを待つ、クローズドスタンスです。グリップを高めに添えて、腰を深く沈めます。両目で前を見据える姿勢は悪くないのですが、全体のバランスとしてはどうでしょうか? また構えた時に、やや力が入りすぎている感じが致します。クローズドスタンスで気をつけないといけないのは、高めの緩い球以外はセンターから右方向に打ち返すこと。しかし彼は、ストレートでも引っ張り込んでレフトスタンドに叩き込んでしまいます。   <始動>    クローズドスタンスから、もう一度ベース側につま先立ちしてから踏み出します。そのため始動自体は、極めて遅いタイミングで動き出します。ここまで遅いタイミングだと、一定レベル以上の球速・キレのある球には、振り遅れる心配があります。   <足の運び>    始動~着地までの「間」が取れていないので、速球や変化球などのスピードの変化には脆い部分があります。そのため彼が打っているのは、速球であることが多いようです。ベース側に踏み出すように、外の球を強く意識したインステップ。それなのに、踏み出した足のつま先は開いており、あらかじめ引っ張ってやろうという意識が強いスイングです。腰はいち早く逃げるのですが、踏み込んだ足元がブレないことで「開き」を抑えることができています。かなり各動作が矛盾した動きをするので、確実性の乏しい打撃をしていると言えるでしょうし、それぞれが欠点を補う動きのために、極端に苦手なコースを作らないという見方もできます。   <リストワーク>    打撃の準備である「トップ」の形を作るのが、少し遅れるのが気になります。また「トップ」自体を、あまり上手に作れません。スイング軌道は可もなく不可もなしといった感じで、ボールを捉えるのに大きなロスは感じません。ボールを捉えてからも、スイングの弧も平均的で、フォロースルーの使い方も上手くないのですが、腕っぷしの強さで強引にボールを運びます。ただこのスイングだと、上のレベルでホームランを連発というのは厳しいかもしれません。   <軸>    足の上げ下げは小さいので、目線は大きく動きません。身体の「開き」も我慢できていますし、軸足には強さを感じます。ボールを遠くに運べるのは、腕力だけでなく内ももの筋肉が強く発達しているからではないのでしょうか。
更新日時:2012.10.01

将来の可能性

 こうやって見てみると、守備・走塁だけでなく、自慢の打撃にも課題を残し、来年世代をリードして行ける存在かと言われると疑問です。大舞台で確かな結果を残せる試合勘の良さと、ボールを飛ばせる長打力は非凡なだけに、これに技術が伴ってくれば楽しみなのは確か。確実にモノになるかは微妙ですが、来年のドラフト候補になるのは間違いないでしょう。すぐに結果を求めずに、少し長い目で成長を見守って行きたいと思います。
更新日時:2012.10.01

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