島袋 洋奨選手 (興南)

島袋 洋奨

球歴:興南

都道府県:沖縄

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:173.0 cm

体重:65.0 kg

学年:卒業

寸評

選抜では、大会前の調整が上手く行かず、ストレートのキレが悪いまま大会に突入。それでも天性の勝負強さで要所を締め、大会を制した。春・夏連覇を達成したこの夏の島袋の投球はどうだったのか?改めて考えてみたい。 (春との違い)  選抜では、投球の上手さ・勝負どころでの集中力の見事さには改めて驚かされたものの、球のキレがイマイチで、物足りない投球だったのは確か。しかしこの夏の島袋は、コンスタントに130キロ台後半~140キロ台中盤まで球速を叩き出し、選抜にはなかったキレを取り戻しただけではなく、球速面でも今までにない領域まで到達し、着実に成長していることを印象づけた。その証拠に、決勝戦の東海大相模戦(2010年08月21日)以外は、すべてイニング数と同等、あるいはそれ以上の奪三振を、全国レベルの強豪校からも奪いとっている。そういった力強さは、選抜では見られなかった光景だ。  また2回戦での明徳義塾戦(2010年08月15日)からは、一回戦では魅せなかったツーシームなどのシュート系の球やフォークなど縦の変化も織り交ぜるようになり、投球に幅を持たせてきた。これまでの島袋は、あくまでも速球とスライダーの二つの球種を巧みに操る投球術に終始していたが、最後の夏には、様々な引き出しがあることを証明して魅せた。  また一回戦での鳴門高校戦(2010年08月10日)では、やや投球フォームのバランスを崩し、制球を乱す場面が垣間見られた。その辺は、2回戦以降も時々顔を覗かせる場面もあったのだが、それでも緒戦よりも着実にバランスが修正できており、以後の大会を勝ち上がって行く。そういった短期間で修正できるセンスは、高校生としては稀な能力だと言えよう。 (選抜以後)  大会期間中は、連日の登板で酷使酷使と騒ぐ人もいたが、選抜大会以後の島袋は、ほとんど試合に登板せずに、夏に備えて地道にレベルアップを図っていた。それは、前年の夏に、連投によって投球フォームのバランスを崩して敗れた反省があったに違いない。そしてその地道な努力が稔り、甲子園ではすべての試合に先発し、チームを勝利に導いた。事前にしっかりとした体力UP・確かな目標を設定し準備を怠らなかったことが、この夏の島袋の快投につながったと言える。そういった計画性と目的意識を持って日々努力できる才能は、彼の天性の野球センス・ピンチになればなるほど能力が発揮される天性の勝負強さと共に、島袋 洋奨 と言う男を形作って行く。
更新日時:2010.10.13

将来の可能性

 島袋 洋奨の最後の夏は、こちらが求めるものを、すべて魅せてくれた気さえする。  大学・社会人・左右を問わず、これだけピッチングができる投手は他におらず、これだけ明確に目的意識を持って野球に取り組め、それを結果を持って証明できた人間も他にはいない。  高校生だからとか言う括りは必要なく、一野球人として素直に尊敬に値するし、彼に今後の伸びしろがあるかなどを論じることは意味を持たない。それは、日々進化していることを最後の夏でも実践してくれたし、彼の人となりが、それを証明してくれている。彼が原点である気持ちを失わない限り、これからも進化し輝き続けるはずだ。そして私は今思う、間違いなく2010年度NO.1投手は、島袋 洋奨 をおいて他にはいないと。 
更新日時:2010.10.13

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