秋月 健太選手 (岩倉)

寸評

　昨秋からエースを務める大型右腕。この夏は背番号7だったが、エース級に相応しい活躍をみせ、ベスト4入りに貢献した。 (投球内容) 　私が見たのは準決勝の時。酷暑・連投ということもあって、キャパを抑えて投げていた印象。右オーバーから投じる直球は135キロ前後(最速137キロ)を計測。最速では140キロを投げていてもおかしくはない馬力があった。 　変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。コーナーに淡々と投球を突いて投球を組み立てる投手だ。突出した球速・変化球はないが、淡々と打者を抑え込んでいく。 　クイックは1.2秒～1.3秒前後のクイックを見せており、標準のクイックを見せている。 (投球フォーム) 　ノーワインドアップから始動する。左足をまっすぐ上げていきながら、右足の膝を真っすぐ伸ばしてバランス良く立つ。左足を三塁方向へ向かって伸ばしていく。 　ステップ幅は狭く、あまり捻りを入れるフォームではない。左腕のグラブを突き上げていくが、左肩の開きは早く、テークバックは大きく回旋していきながら、トップを作っている。やや回旋の速度は鈍く、右肘が下がっていて、球離れも早く、上から振り下ろすフォームなので、故障のリスクが高いのが心配点。ケアにはしっかりと努めてほしい限りだ。 　角度を付けているが、やや回旋がスムーズではないのが気になるポイント。回旋をスムーズにして、腕の振りがさらに速くなっていけば、球速はもっと出る投手だろう。

将来の可能性

　上背もあり、まとまった投手だが、次のステージでは突き抜けた武器が明確にできるようにさらなるレベルアップを見せてほしいところ。良いモノは持っている投手であり、しっかりと鍛えこんで、投球フォームの中で、鋭さというモノが出せれば、いずれは140キロ台を出せる器なので、次のステージで続ける場合、さらに意欲的に取り組んで、大きく成長した姿を見せることを期待したい。