古川 響輝選手 (高田商)
寸評
近畿大会ベスト8に導き、最速130キロ後半のストレートとキレの良い縦スライダーを武器にする好左腕。今年の奈良県を代表する左腕。今回の奈良県選抜に選ばれ、第1戦の先発に任された。全国レベルのチームにするには何が課題なのか。 (投球内容) 左スリークォーターから投げ込む直球は常時120キロ後半~133キロを計測。最速は137キロを計測しており、一冬越していければ、コンスタントに140キロ近い速球を計測するのではないだろうか。ただボールの強さがなく、高めに浮いてしまうと痛打されやすい欠点がある。 ストレートが高めに浮きやすいので、110キロ台のカーブ、120キロ台の縦スライダーを低めに集まて空振りを狙う。打者の手元で大きく曲がるので、空振りが奪える。だがそれを見極められたり、思うように曲がらないとボール先行になる傾向があり、相手の打ち損じを期待する投球になる。 ストレートのスピードはそれなりにあり、変化球も低めに決まれば、三振も奪える。ただストレートが決まらない時、どんな投球ができるか。まだ引き出しを増やしていく必要がある。 (投球フォーム) ノーワインドアップから始動し、右足を高く上げていきながら、左足は真っすぐ立つことができている。右足を一塁方向へ伸ばしていきながら、重心を下げていき、右足の膝を曲げて、プレートを押さえつけながら着地を行う。軸足を強くキックすることで、動作に勢いを生んでいる。 テークバックの動きを見ると内回りの旋回をしていきながら、トップを作り、リリースに入る。体の近くで腕を振ることができており、体への負担も少なく、大きくコントロールを乱すことも少ない。 動作を大きく取って、その勢いで投げるフォーム。ただ軸がぶれると、突っ込みがちのフォームになり、リリースポイントが乱れてしまうことがある。 下半身の筋力的な強さがもっと出てきて、フォーム全体に安定感が増して、強く腕が振れるメカニズムになると、さらにストレートは速くなっていきそうだ。
更新日時:2016.12.25
将来の可能性
将来的には140キロ台は狙える左腕であり、変化球の精度の高さも、一定レベルの高さがある。ただコントロールや投球の組み立てに課題があり、全国レベルの打線と対峙したときに不安がある。 一冬超えて、どれだけ実戦的な投手へ成長をしているのか注目をしていきたい。
更新日時:2016.12.25